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日本とEU(=ヨーロッパ連合)がEPA(=経済連携協定)に署名したニュースを5紙がすべて大きく報じています。
また、毎日新聞と産経新聞は、参議院の選挙制度をめぐり定数を6増やすことになる自民党案が国会で今日にも成立する見通しであることを1面で伝えています。
日経新聞は、三菱UFJ信託銀行が、個人データを預かり民間企業に提供する「個人データ銀行」を2019年にも始める方針を固めた、と報じています。また、サッカー日本代表の本田圭佑選手が、アメリカの俳優ウィル・スミス氏と組んでベンチャーファンドを月内に設立する、と伝えています。
読売新聞は、日本版「司法取引」が初めて適用された、タイの発電所事業をめぐる贈賄疑惑について、東京地検特捜部が、大手発電機器メーカー「三菱日立パワーシステムズ」の元取締役ら3人を在宅起訴する方針を固めた、との続報を掲載しています。
朝日新聞は、きのう独自ネタで報じた自民党の古屋圭司議員が政治資金パーティーの収入を過少申告していた疑惑について、古屋議員が「過少申告はない」などと否定したことを1面で取り上げています。
朝日新聞
毎日新聞
日経新聞
- 「個人データ銀行」創設 三菱UFJ信託 同意うけ企業に提供
- データの世紀「私」が奪われる(3) AI依存どこまで マネー・信用…人生すら
- 日欧EPA 来年発効へ 両首脳署名、最大級の自由貿易圏
- 本田圭佑選手、VBファンド設立 米俳優ウィル・スミス氏と 110億円規模
読売新聞
- 日欧EPA 来年発効へ…首脳署名 自由貿易を推進
- 初の司法取引 元取締役ら3人在宅起訴へ…海外贈賄 法人は不起訴
- [2020強化最前線]五輪あと2年<1>マラソン代表 脱「一発屋」
- 西日本豪雨 死者216人
産経新聞
- 日欧EPAに署名 戦略協定も 世界最大級貿易圏
- トランプ氏 露の干渉否定 大統領選 米露、核協議で一致
- 参院6増 衆院委可決 与党きょう成立目指す
- 仮設入居 住宅半壊でも 西日本豪雨 自治体判断で可能
- ヒューリック杯棋聖戦 豊島 新棋聖に 初タイトル 羽生100期阻む
ピックアップニュース
日EU経済連携協定に署名
安倍首相はきのう、来日中のEU(=ヨーロッパ連合)のトゥスク大統領らと会談し、日本とEUの間のEPA(=経済連携協定)に署名しました。両首脳は会談後に共同声明を発表し、「この協定は自由貿易の旗を高く掲げ続け、自由貿易を力強く前進させていくとの日本とEUの揺るぎない政治的意思を世界に対して示すものだ」などと協定の意義を強調するとともに、「保護主義と戦う」としてアメリカのトランプ政権をけん制しました。
日EUのEPAは、世界のGDPの約28%、貿易額の約37%を占める世界で最大規模の貿易協定となります。日本の消費者にとっては、EUから輸入するワインやチーズなどが安くなり、EUの消費者にとっては、日本から輸入する自動車や電化製品などを安く買えるようになります。日本とEUは議会承認などの手続きを進め、2019年3月までの発効を目指します。
安倍首相は会見で、「EPAは日本のGDPをおよそ5兆円、雇用を29万人創出するアベノミクスの新しいエンジンとなるものだ」などと述べました。
今朝の朝刊各紙はこのニュースを大きく取り上げています。
毎日新聞の記事「クローズアップ2018 日欧EPA署名 対保護主義の旗頭 世界に姿勢発信」では、2013年4月に協定の交渉が始まった当初は双方の利害が対立し交渉の長期化が懸念されていたと指摘した上で、
17年にトランプ米政権が誕生すると状況は一変した。日欧は保護主義的な政策を掲げるトランプ氏をけん制する「政治メッセージ」になると考え、妥結を急いできた
と交渉がまとまった背景を解説しています。
読売新聞の記事「EPA署名 米にらみ 日欧協調…保護主義けん制■車関税回避へ結束」では、
政府内には、EPAなどの発効で、畜産分野を中心に米国は競合国に後れをとる公算が大きいことから、「自由貿易の利益を見せることで、米国にTPP復帰を促す呼び水にできるのはないか」(首相官邸筋)との期待感がある
という政府の思惑を紹介しています。
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