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【2019年参院選】争点ピックアップ「原発の活用(再稼動を進めるか)」めぐる各党の主張

今回のテーマは、原発を今後も活用していくかどうか、です。
日本政府は、原発への依存度を「可能な限り低減」するとしつつも、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けて、今後も活用していく方針です。
福島第一原発の事故を受けて民主党政権は「原発ゼロ」を目指したけど、結局はあいまいな政策だったニャ。
その後政権が交代し、安倍政権のもとで原発を活用する方針に戻ったたんだニャ。
原発政策をめぐる経緯や、政府が去年打ち出した新たなエネルギー政策については、こちらの記事も参照して欲しいニャ。

  • 【賛否両論】原発政策(新しい「エネルギー基本計画」案への賛否)
  • 原発をめぐっては、すべての政党が原発依存度の低下を掲げています。
    はっきりと主張に差があるのは、原発の再稼動を認めるのか? 原発の新設や増設を認めるのか?といった点です。
    自民党は詳しい政策集「令和元年政策BANK」の中で

    原発依存度の可能な限りの低減などの方針を堅持

    としつつも、

    原子力規制委員会によって世界で最も厳しい規制基準に適合すると認められた場合には、立地自治体等関係者の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進めます

    として、原発の再稼動には前向きじゃ。
    原発の新設・増設についても否定はしとらんのう。
    つまり、原発を今後も活用していくスタンスじゃ。

    公明党は公約で、

    原発の依存度を着実に低減させるとともに、原発の新設を認めず、徹底した省エネの推進、火力発電の高 効率化等を図りつつ、原発に依存しない社会 “ 原発ゼロ ” をめざします

    と主張しとるで。
    与党として原発の再稼動は進めていく立場やけど、自民党との間には温度差があるで。

    原発の再稼動を進める与党に対して、野党各党は市民団体との間で合意した「共通政策」の中で、

    福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と 地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指す

    と記されています。
    「原発ゼロ」は明確に掲げていますが、原発の再稼動については、避難計画や地元合意などがあれば容認するようにも読める書きぶりです。

    この「共通政策」にサインしているのは立憲・共産・社民・国民民主だわ。
    立憲民主党は公約で、

    原発再稼働を認めず、原発ゼロ基本法案の早期成立を目指します

    と明記しているわ。
    共産党も、

    原発の再稼働を中止し、すべての原発で廃炉のプロセスに入ります

    と訴えていて、
    社民党も、

    原発の新増設はすべて白紙撤回し、既存原発の再稼働に反対します

    と主張しているわ。
    この3党は原発の再稼動にはっきり反対しているけど、国民民主党はちょっと書きぶりが違うわね。

    国民民主党は公約で、

    あらゆる政策資源を投入し、2030年代を目標として、できるだけ早期に原子力エネルギーに依存しない社会(原発ゼロ社会)を実現します

    として、原発ゼロを掲げているニャ。

    だけど、原発に再稼動については、

    原子力発電所の再稼働にあたっては、厳格な安全基準の徹底は当然のこととして、避難計画の作成と地元の合意を必須とします

    と記載しているニャ。
    再稼動を完全には否定していないところが、他の野党とはちょっとニュアンスが違うニャ。

    野党の中でも「是々非々」路線の日本維新の会は公約で、

    先進国をリードする脱原発依存体制の構築

    と掲げているヨ。具体的には、

    ・原子力損害賠償制度の確立
    ・原発稼働に係る関係自治体の同意を法制化
    ・原発再稼働責任法案

    と記載しているネ。法整備が必要だと訴えているけど、原発の再稼動そのもには反対していないネ。

    原発を重要な電源として今後も活用していくのか、原発の再稼動を許さず「原発ゼロ」へ速やかに進むのか。実現可能性や経済・社会への影響も含めて、しっかり吟味すべきテーマですね。

    【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

    朝日新聞

    毎日新聞

    日経新聞

    読売新聞

    産経新聞

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