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【読み比べ】G20閉幕。朝日は「安倍外交の限界」と批判、産経は「現実的」と評価

日本で初めて開催されたG20大阪サミットがきのう閉会しました。
首脳宣言には「自由、公平、無差別な貿易と投資環境を実現するよう努力する」という文言が記されたネ。
貿易戦争で対立を深めるアメリカと中国が主張する「公平」や「無差別」というキーワードを盛り込んで、なんとか協調を保った形じゃ。
一方で、G20が2008年に発足して以来、首脳宣言に明記されてきた「反保護主義」への言及が、去年に引き続き見送られました。
自国第一を掲げるトランプ政権への配慮は明らかだわ。
注目されていたアメリカと中国の首脳会談では、決裂していた交渉を再開する方針で合意したネ。
トランプ政権による中国への追加制裁の発動はひとまず回避されたけど、根本的な米中の対立構造は何も解決しとらんで。
G20や米中首脳会談について、主要5紙がきょうの社説で取り上げているニャ。
「安倍外交」に対して、一番辛口なのは朝日新聞だニャ。
もちろんです!
朝日新聞はきょうの社説『大阪G20閉幕 安倍外交の限界見えた』の中で、

首相が腐心するトランプ氏との蜜月は、具体的な課題の解決に生かせてこそ意味がある。
だが、首相が仲介外交に乗り出した米国とイランの対立や、サウジアラビアの記者がトルコで暗殺された事件をめぐって、突っ込んだ議論が交わされた形跡はない。
会議の成功を優先し、難しいテーマから逃げたと見られても仕方あるまい

と「安倍外交」を批判的に伝えています。また、

会議と並行して行われた二国間会談でも、安倍外交の限界が浮き彫りになった

として、トランプ大統領が日米安保条条約に不満を表明した真意を安倍総理がたださなかったことを批判しています。

親密な個人的関係を成果につなげることも出来ず、いいように揺さぶられている現状を、首相はどう説明するのか

安倍政権で目立つのは、国内世論の受けを優先させる姿勢だ。
G20サミットは例年、G7サミットの後に開かれてきた。
今回、G20議長国の日本が慣例に反し、G7の前に開催したのは、参院選の直前に「外交の安倍」を世論にアピールする狙いとみられている。
いったい、何のための外交なのか。
長期的な戦略より政権維持の思惑が優先されるなら、その行き着く先は危うい

と厳しく指摘しています!

ちょっと待てや、あまりにも採点が辛口すぎとちゃうか?
産経新聞はきょうの社説『G20と米中 自由貿易を守る原則貫け 覇権争いの長期化に備えを』の中で、

保護主義と闘うというG20の基本理念は昨年に続いて明記しなかった。
米国の強い反対を踏まえて断念せざるを得なかったのだろう。
これをもってG20の限界を批判するのはたやすい

と指摘した上で、

まずは米中双方が納得できる自由貿易の原則を確認し、それに沿うよう促したのは現実的なアプローチといえる

と、今回の成果をある程度は評価しとるで。その上で、

幸い、G20と合わせて行われた米中首脳会談で、貿易交渉が決裂する事態は回避された。
世界経済全体が悪化するリスクが多少なりとも遠のいたのは歓迎できる。
重要なのは、この間にG20が協議を進展させ、米中対立の根本にある中国の構造問題を解消する道筋をつけることだ。
米中首脳と良好な関係を築く首相には引き続きこれを主導する責務がある

と安倍外交にハッパをかけとるで。

国際社会がアメリカと中国の対立に振り回されている中で、評価はなかなか難しいわ。
毎日新聞はきょうの社説『G20大阪サミット閉幕 米中摩擦の緩和に至らず』の中で、

議長国の日本は協調立て直しに努めた。
世界貿易機関(WTO)の改革を首脳宣言に盛ることを主導したのは日本だ。
中国に補助金是正などを促す仕組みを目指し、米国を多国間の枠組みにとどめる狙いだ。
経済のデジタル化に応じた国際的なルール作りや、プラスチックごみによる海洋汚染対策でも一定の成果をあげたと言えよう

と評価する一方で、

もっとも日本の役割は限られた。
政府はそもそも「反保護主義」の文言は困難とみていた。
安倍晋三首相は会議で「貿易制限の応酬はどの国の利益にもならない」と呼びかけたが、それ以上踏み込まなかった。
貿易交渉中の米国を刺激したくないとの思惑が働いたのではないか

とも指摘しているわ。

何より必要なのは、米中が今後の協議で共存を探ることだ。
大国として世界経済の安定に責任がある

と思うわ。

同感だヨ。米中両国には、貿易戦争を終わらせる責任があるネ。
日経新聞はきょうの社説『米中は今度こそ貿易戦争止めよ 』の中で、

米国に次ぐ経済大国となったにもかかわらず、相応の義務を果たそうとしないのは問題である。
習氏は首脳会談の冒頭で「摩擦や対決よりも協力や対話の方がいい」と語った。
ならば中国自身に改革案を示す責務があるはずだ

と中国側を批判すると同時に、

むろん米国もむやみに貿易戦争をしかけるのはやめるべきだ
国際ルールに抵触する高関税の乱用は、戦後の自由貿易体制を主導してきた米国にあるまじき行為だ。
日本や欧州などと連携し、中国に改革を迫るのが王道であろう

とアメリカ側にも注文をつけているヨ。その上で、

米中の衝突をいかに回避するかは、世界にとっての大きな課題でもある。
日本や欧州をはじめとするG20各国は、両国の対話を粘り強く働きかけるべきだ

と指摘しているネ。

その通りじゃのう。
読売新聞はきょうの社説『米中首脳会談 制裁と報復の応酬に歯止めを』の中で、

協議は5月に物別れに終わり、世界経済の先行き懸念が強まっていた。
決裂という最悪の事態はひとまず回避され、事態はわずかながら改善したと言えよう

と評価しつつも、

ただ、両国の隔たりは大きい。
問題の先送りに過ぎず、交渉の行方は楽観できまい。
米側が見直しを強く求めている知的財産権の侵害や、自国企業への不透明な補助金支給を巡り、中国が実効性のある改革案を示せるかがカギになる

と指摘しておる。その一方で、

制裁をちらつかせて屈服を迫る恫喝外交だけでは、合意をより困難にするのではないか

とトランプ政権の姿勢を批判しておる。
米中双方の、制裁と報復の応酬に歯止めをかけることが何よりも重要じゃよ。

米中対立の行方に、今後も注目していく必要がありますね。

【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

けさの読売新聞の1面は以下の通りじゃ。

社説はこれじゃ。

産経新聞

今日の産経新聞の1面はこれやで!

社説はこれやねん!

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