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【読み比べ】安倍首相の側近議員が消費増税の延期を示唆

自民党の萩生田衆院議員がきのう、DHCテレビの「真相深入り!虎ノ門ニュース」というインターネット番組で、ことし10月の消費税率の10%への引き上げについて延期を示唆する発言をして波紋が広がっています。
萩生田氏は、7月1日に発表される6月の日銀短観(企業短期経済観測調査)の数字が悪ければ「崖にむかってみんなを連れて行くわけにはいかないので、そこは違う展開はあると思う」と発言したんです!
増税を先送りする場合は「国民の了解を得ないといけない。信を問うことになる」とも述べて、衆院の解散にまで言及したわ。萩生田議員は安倍総理大臣の側近として知られる人物だからこそ、憶測を呼ぶわね。
日本商工会議所の三村会頭が「理解できない発言だ」と述べるなど、経済界からは反発の声が上がったよ。経済界は消費増税にむけて様々な対策を行ってきたたから、当然の反応だね。
菅官房長官は記者会見で、「リーマンショック級のことが起こらない限り、引き上げる予定だ」と述べたのう。つまり、萩生田氏の発言を否定したんじゃ。
増税先送りは、政府の意図ではないってことね。
では、どうして今回の萩生田氏の発言が飛び出したんでしょうか!
産経新聞は萩生田氏の発言の意図について、安倍首相が衆院解散の選択肢を多く持ちたいからではないか、という自民党幹部の見立てを紹介しているよ。ほかにも、

「世論の反応を見極める観測気球だ」(閣僚経験者)との指摘や、自民党内を引き締める狙いとの見方も出ている
(産経新聞2019年4月19日朝刊1面記事より)

と解説しとるで。

ところで、今回のように政治家などが特定の番組で発言した場合、それを報道各社が報じる際には、記事の中で番組名が細かく紹介されないケースが多いですね。
毎日新聞の記事は「インターネット番組で」としているわ。
読売新聞も同じく「インターネット番組で」じゃ。
日経新聞は「インターネットテレビ番組で」という紹介の仕方だよ。
朝日新聞は「DHCテレビのインターネット番組」と報じています!
産経新聞は「真相深入り!虎ノ門ニュース」という番組の名前を明記しとるで。引用するなら、きちんと番組名まで紹介するのが礼儀ってもんやないか。
あ、番組のHPに、「出演者」一覧が記載されているよ。
ジャーナリストの櫻井よしこ氏や作家の百田尚樹氏など、産経新聞の考えに近い、いわゆる「保守派」と呼ばれる論客が並んでおるのう。
安倍総理と関係が深いことで有名な産経新聞の阿比留瑠比氏や、安倍総理の名前もあります!
いい人選やな!センスがいい番組やで!
はっきりとはわからないけど、少なくとも産経新聞と考え方が近い番組とは言えそうね。
産経新聞の過去の記事を検索してみると、政治家の発言を紹介する際に「NHK番組で」などとする表現がみられます。
詳細はわかりませんが、今回は番組との「近さ」もあって番組名まで紹介したのかもしれませんね。
各社の記事を読み比べると、こうした推察もできて興味深いですね。

けさの1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

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