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桜田五輪担当大臣が辞任

被災地の復興よりも国会議員が大事、という趣旨の発言をした桜田大臣の辞任について、今日は5紙すべてが社説で取り上げました。
朝日新聞の社説は「桜田大臣辞任 守り続けた責任は重い」というタイトルです。

首相は一貫して、桜田氏を「適任」だとかばい続けてきた。今回の辞任を受け、「任命責任は私にある」と記者団に語ったが、その責任をどれほど重く受け止めているのか

首相の「反省」の本気度が問われている(朝日新聞4月12日社説)

などと批判しています。桜田大臣をずっとかばい続けた安倍総理の責任を追及すべきです!

同感だわ。毎日新聞の社説は「首相が桜田氏を更迭 半年余も守った罪は重い」というタイトルよ。
桜田大臣を安倍総理がずっと辞めさせなかったのは、

桜田氏を辞めさせれば、財務省の文書改ざんで責任を取らなかった麻生太郎副総理兼財務相の進退問題が再浮上し、辞任ドミノにつながると恐れたからかもしれない

と指摘してるわ。

多くの国民にとって、しどろもどろの答弁を繰り返す桜田氏は、もはや冷笑の対象だったのではないか。「これでも閣僚が務まるのか」と国民をあきれさせ、政治不信をいっそう深めた罪はことさら重い(毎日新聞4月12日社説)

わよ。

たしかに、更迭は遅きに失した感が否めないのう。桜田大臣を起用した去年の内閣改造は、

自民党総裁選で連続3選を果たした首相が、自らを支えた派閥に論功行賞でポストを割り振った側面が強い。適材適所の原則を軽視すれば、結局、そのツケを払うことになる。人事権者として改めて肝に銘じなければならない(読売新聞4月12日社説)

ということじゃな。
ちなみに読売新聞の見出しは「桜田五輪相更迭 1強の緩みが蔓延している」じゃ。

自民党1強が続き、「多少、悪乗りしても大丈夫だ」といった甘い考えが党内に蔓延まんえんしているのなら、ゆゆしき事態と言える(読売新聞4月12日社説)

という指摘はもっともじゃのう。

問題の背景にあるのは、当選回数を重ねれば能力が低くても大臣になれる、おかしなシステムだと思うよ。日経新聞の社説タイトルは「年功序列で閣僚になる時代は終わった」で、

自民党は不祥事が起きるたびに再発防止を誓うが、あまり効果がない。不適格な閣僚を生む政治の仕組みは放置されたままだからだ

民間企業では能力本位の人材起用がとっくに常識になっている。資質に欠ける人物を起用した安倍晋三首相の責任は重大である。当選回数を重ねれば誰でも年功序列で入閣できる時代は過去のものになったことを、国会議員もよく認識すべきだ(日経新聞4月12日社説)

と指摘しているよ。

ほんまやで。安倍政権を基本的に応援しとる産経新聞も、

人を見る目はないのかと批判されても仕方あるまい。派閥均衡や当選回数で入閣者を決めるから、こうした事態を招く。政府全体で猛省すべきである(産経新聞4月12日社説)

って辛口やで。
産経新聞の今日の社説のタイトルは「桜田氏の辞任 政府の五輪軽視の結果だ」で、

東京五輪は政府の重要課題のはずだが、毎年のように担当相が代わる(中略)猫の目のような交代劇は、政府の五輪軽視としか映らない(産経新聞4月12日社説)

って批判しとるで。政府は東京オリンピックを軽視してるって言われても仕方ないで。

桜田議員をめぐる一連の問題をめぐっては、
・桜田議員本人の資質
・桜田大臣を任命した安倍総理の責任
・長期政権となった安倍政権の「ゆるみ」
・論功行賞や派閥のバランスなどの論理で大臣ポストが決められる問題
などが指摘されています。どこに批判の力点を置くか、各社のタイトルに個性がにじみ出ていますね。

調査報道

強制不妊めぐる個人情報の開示請求0.3%(毎日新聞)

旧優生保護法に基づいて障害者が不妊手術を強いられていた問題をめぐって、毎日新聞が47都道府県にアンケートと取材を行った結果を報じています。
毎日新聞の1面トップ記事(旧優生保護法を問う 強制不妊、開示請求0.3% 記録判明18人 昨年1月以降 毎日新聞調査)によると、自らの被害を証明する手術記録の開示を請求したのは調査の結果67人で、被害者全体のわずか0.3%にとどまったそうよ。
政府は、手術記録が残る被害者に対しても、プライバシーを理由に「通知しない」方針だけど、それで本当に被害者を「救済」できるのかしら。
被害認定された人に一時金320万円を救済する救済法案は来週中にも国会で成立する見通しですが、果たしてどこまで本当に救済できるのか、あり方に一石を投じる調査報道ですね。

けさの1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞