アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐって、沖縄県が埋め立ての承認を「撤回」したことに対し、防衛省は埋め立ての法律を所管する国土交通大臣に対して執行停止を申し立てていた。
石井国土交通大臣は記者会見で、撤回の効力を一時的に停止する「執行停止」を行うことを明らかにした。判断の理由について石井大臣は、
・工事を停止することで生じる経済的な損失
・普天間基地の危険性除去や騒音などの被害防止を早期に実現することが困難になる
・日米間の信頼関係・同盟関係などにも悪影響を及ぼしかねない外交・防衛上の不利益
などを挙げた。
国交相の判断を受けて岩屋防衛大臣は記者会見で、「現地の気象などを踏まえて準備を進め、速やかに工事を再開したい」と述べ、埋め立て工事を速やかに再開させる考えを示した。
これに対して沖縄県の玉城知事は記者団に対して、「公平性と中立性を欠く判断がなされたことに強い憤りを禁じえない」などと述べ政府の対応を厳しく批判した上で、国と地方の争いを調停する「国地方係争処理委員会」に審査を申し出ることを検討する考えを示した。