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【今日の情報「偏食」危険度】注意報

実質的に首相を決める選挙である自民党総裁選挙が行われ、石破元幹事長に勝利した安倍首相が3選を果たしました。2021年9月までの任期を満了すれば、安倍首相の在職日数は歴代最長となります。
きょうの朝刊に主要5新聞はそろって社説を掲載し、安倍政権に対する評価や、とりわけ安倍首相が目指す憲法改正に対する各紙のスタンスの違いがはっきり表れました。朝日新聞・毎日新聞・日経新聞は反対あるいは慎重なのに対して、読売新聞・産経新聞は積極的です。詳細は下記「社説読み比べ」を参照ください。

1面記事一覧

朝日新聞 1面記事一覧

出来事安倍首相、自民総裁3選 石破氏善戦、地方票の45%
見通し麻生・菅・二階氏続投へ 「圧勝」できず、政権運営に影 安倍首相、自民総裁3選
意 見「1強」のおごりの芽をつめ 安倍首相、自民総裁3選 政治部長・栗原健太郎
見通し文科次官、辞任の意向 不適切接待、幹部処分へ 汚職事件

毎日新聞 1面記事一覧

出来事自民党総裁選 安倍首相3選 石破氏善戦、党員票45% 議員票も20上積み
意 見自民党総裁選 1強への不満直視を=政治部長・佐藤千矢子
見通し文科省汚職 2代連続で引責 次官辞任へ

日経新聞 1面記事一覧

出来事首相、自民総裁3選 任期3年「改憲に挑戦」
見通し21年卒就活 6月解禁継続 経団連ルールは廃止、政府・大学が主導
見通しスルガ銀創業家、株売却へ 社外取締役に伝達、経営に関与せず
出来事福山、日曜の配達停止 企業向け、物流大手で初
見通し戸谷文科次官、辞任の意向 汚職事件で引責

読売新聞 1面記事一覧

出来事自民総裁選 安倍首相 連続3選…得票69% 石破氏破る
見通し麻生・菅・二階氏留任へ…内閣改造・党人事 来月初旬に
意 見敵は惰性、おごり、飽き…政治部長 伊藤俊行
見通し戸谷文科次官 辞任へ…接待汚職事件で引責

産経新聞 1面記事一覧

出来事自民総裁 安倍首相3選 麻生・菅・二階氏 留任へ 1日改造 河野・茂木・世耕氏も
意 見残り3年 何をやるつもりなのか 編集局次長兼政治部長 石橋文登
「朝の詩」選者交代します 来月から詩人の八木幹夫さん
見通し文科汚職 戸谷次官辞任へ 2代続けてトップ引責
出来事早期の米朝再会談 意欲 正恩氏 文氏を最大限もてなし
出来事世界柔道 男子60キロ級 高藤「金」

社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

社説読み比べ(憲法改正)

朝日新聞

朝日新聞はきょうの社説『3選はしたものの 安倍1強の限界明らかだ』の中で、

首相が重ねて意欲を示した自衛隊明記の憲法改正は、明らかに喫緊の課題ではなかろう。本紙の9月の世論調査でも、総裁選の争点で改憲を上げたのは8%と、6項目のなかで最低だった。長期政権の持てる力は、少子高齢化や年金・医療・介護など、国民生活に深くかかわる課題にこそ集中すべきだ

と指摘し、憲法改正に注力することに反対の立場を示しています。

毎日新聞

毎日新聞はきょうの社説『安倍氏が自民総裁に3選 独善的な姿勢から決別を』の中で、

首相は自衛隊を明記する憲法改正の自民党案を今秋の臨時国会に提出したいと言う。
任期中に何としてでも改憲を実現させたいのだろう。ただし、それは本当に国民が求めている緊急課題だろうか。改憲議論の必要性は認めるが、自衛隊を明記すれば経済は上向き、人口減少問題が解消するわけではない。イデオロギー色が強い自らの願望を優先して突き進む姿勢には賛成できない

と指摘し、憲法改正に前のめりな安倍首相の姿勢に反対の立場です。

日経新聞

日経新聞はきょうの社説『将来世代への責任果たす3年に 』の中で、

「憲法改正にいよいよ挑戦し、新しい国づくりに挑んでいく」。安倍首相は記者会見でこう強調した。だが、自民党が今年の党大会で打ち出した4項目の改憲案は生煮え感がある。野党どころか、連立を組む公明党でさえ賛同していない。
こうした状況で首相主導で改憲を急げば、政権の体力をムダに消耗しかねない。憲法論議を活発にすることは日本の将来にとって重要ではあるが、政権運営の優先順位をよく考慮すべきだ

と指摘し、憲法改正の議論の重要性を認めつつも、取り組むべき課題の優先順位の観点から、慎重な姿勢を示しています。

読売新聞

読売新聞はきょうの社説『安倍総裁3選 長期的課題で着実な成果を』の中で、

首相が総裁選で勝利したことで、自民党内の憲法改正の方向性は定まったと言えよう。9条については、戦力不保持を定めた2項を維持し、自衛隊の根拠規定を設ける首相案である。首相は今秋の臨時国会に提示する意向だ。
自民党は、衆参両院の憲法審査会で条文案の議論を深め、理解を得る努力を続けるべきだ。
憲法改正は、衆参各院で3分の2以上の賛成で発議した後、国民投票にかけるという長いプロセスである。野党からも幅広く賛同を得る努力が欠かせない。発議の時期の見極めなど、周到な準備が要る

として、憲法改正に取り組む政府与党に理解を示し、努力と準備を促しています。

産経新聞

産経新聞はきょうの社説『安倍総裁の3選 憲法改正の先頭に立て 謙虚な政権運営を心がけよ』の中で、
憲法改正を実現し、日本の未来を切り拓(ひら)くことは、首相と自民党に課せられた重い責務である。総裁選で首相が約束した通り、憲法に自衛隊を明記する党の憲法改正案を秋の臨時国会に提出してほしい。安全保障環境が激変する中、国民投票で「自衛隊」が憲法に書き込まれる意義は大きい。自民党は憲法改正の国民運動も始めるべきだ。党総裁として首相は先頭に立ってほしい
と訴え、憲法改正の実現に向けた政府与党の取り組みを促しています。