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【今日の情報「偏食」危険度】注意報

きのう告示となった沖縄県知事選挙(今月30日に投開票)は、安倍政権が全面的に支援する佐喜真淳氏(前・宜野湾市長)と、死去した翁長知事を支えてきた「オール沖縄」勢力が支持する玉城デニー氏(前・衆議院議員)の事実上の一騎打ちです。
最大の焦点である、在日アメリカ軍・普天間基地の辺野古移設をめぐって、玉城氏が反対を明言しているのに対し、佐喜真氏は賛否を明言していませんが、容認の立場とみられてます。
今日の各紙はこのニュースを大きく取り上げ、中でも朝日新聞・毎日新聞・読売新聞の3紙は社説を掲載しています。「普天間基地の辺野古移設」をめぐり、朝日と毎日は反対の立場、読売は賛成の立場から論じているため、情報摂取には注意が必要です

1面記事一覧

朝日新聞 1面記事一覧

出来事辺野古移設、争点 沖縄知事選告示
出来事政府、ロシアに抗議せず 交渉への影響を配慮か プーチン氏発言
出来事北海道観光シーズン痛手 宿泊キャンセル「被害100億円」 地震1週間

毎日新聞 1面記事一覧

出来事経済振興VS辺野古阻止 沖縄知事選 30日投開票 4氏届け出
出来事自民総裁戦 きょう再開 安倍氏・石破氏討論会
意 見自民党総裁戦 早くも後半戦 多数万能ではいけない
出来事時間が止まったまま 北海道地震1週間

日経新聞 1面記事一覧

検 討M&A「のれん」費用計上検討 買収額の上乗せ分 国際会計基準 日本勢、14兆円減益要因
出来事関空、旅客便5割回復へ 第1ターミナルきょう再開
出来事トルコ、大幅利上げ 政策金利24%、リラ一時急騰
連 載リーマン危機10年 当事者の証言(5) 急速な技術発展 リスク モルガン・スタンレー前CEOマック氏

読売新聞 1面記事一覧

出来事北海道地震1週間 宿泊50万人キャンセル 道路など 厚真 157億円被害
出来事沖縄知事選 与野党対決 辺野古移設問う 告示 4氏の争い
寄 稿[総裁選に望む]<4>予算の効果 検証不十分…サントリーホールディングス社長 新浪 剛史氏

産経新聞 1面記事一覧

出来事沖縄知事選 与野党対決 告示 辺野古争点「一騎打ち」
特 集リーマン10年 危機後の世界2 「ポピュリスト戦線」拡大
出来事関空 旅客便3割回復 第1ターミナル きょう一部再開
出来事北海道地震 首相が激甚指定表明

社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

社説読み比べ:沖縄県知事選挙

朝日新聞

朝日新聞はきょうの社説『沖縄知事選 「辺野古」を論じよ』の中で、

「辺野古」が問いかけているのは、基地建設の是非にとどまらない。
憲法が定める地方自治とは何か。中央政府と自治体はいかなる関係にあるのか。過酷な歴史を歩み、いまなお重い基地負担にあえぐ沖縄の荷を軽くするために、本土は何ができるのか、何をなすべきなのか――。
知事は基地建設にかかわる多くの権限を持ち、この先、県が進む方向を決めるかじ取り役である。全国の関心が集まり、今後のこの国の姿をも占う「辺野古」に、どう向きあっていくのか。考えを明確にして、論戦を深めてもらいたい

と指摘し、移設問題への賛否を明らかにしていない佐喜真氏をけん制しています。
また、

改めて思うのは、くり返し示された民意を無視して基地建設を強行する一方、自らの意に沿う動きをする勢力には、経済振興の予算をしっかり手当てするなどして、沖縄に深い分断を持ち込んだ政府の罪深さだ。
そうした政権の振る舞いもまた、審判の対象となるだろう

と述べ、この問題をめぐる政府の対応を批判しています。

毎日新聞

毎日新聞はきょうの社説『沖縄知事選告示 争点がかみ合う選挙戦に』の中で、

日米両政府が普天間返還で合意した1996年以降、5回の知事選が行われ、翁長氏が当選した前回2014年を除く4回は保守系が勝ったものの、辺野古移設の受け入れを明言して当選した知事はいない。
その曖昧な構図を打ち破ったのが4年前の翁長氏だ。
翁長氏は自民党出身ではあるが、「辺野古新基地反対」の一点で保守系の一部と革新系を糾合して「オール沖縄」勢力を構築した

と経緯を説明した上で、

4年前に示された民意を無視することはできない。今回、どちらが勝つにせよ、国と沖縄の間で、辺野古移設を含む基地負担のあり方をめぐる協議が必要になるだろう

と指摘。辺野古移設に反対する沖縄の民意は「無視できない」と、辺野古移設を推進する政府をけん制しています。
また、

佐喜真氏は、翁長県政下で国との対立が深まったことを念頭に「対立から対話へ」を掲げた。ならば、辺野古移設問題で政権とどう対話するのかを明らかにすべきだ

争点のかみ合う論戦を展開し、県民に判断材料を提供してほしい

と主張し、佐喜真氏に対して移設問題をめぐる考え方を示すよう求めています

読売新聞

読売新聞はきょうの社説『沖縄知事選告示 豊かな県へ将来像を競い合え』の中で、

普天間飛行場は、米海兵隊の活動を支える重要な拠点だが、市街地に囲まれているため、事故のリスクも抱える。抑止力を維持しつつ、住民に被害が及ぶ危険性を低減するには、辺野古移設が唯一、具体的な案だ

と指摘し、普天間基地の辺野古移設に賛成の立場を改めて示しています。その上で、

米軍基地の再編や縮小は、国が安全保障政策の一環として県民の理解を得ながら丁寧に進めなければならない。だが、移設の賛否を最大の争点とする選挙戦が繰り返されることに、違和感を抱く県民も少なくないだろう

沖縄県には、日本にある米軍基地の7割以上が集中する。負担軽減を進めるとともに、幅広い観点から沖縄を豊かにする施策を冷静に議論しなければならない。
沖縄県の1人あたりの県民所得は、全国最低である。非正規雇用の割合も高い。インフラ整備や産業振興などを総合的に進めて経済を活性化させ、県民生活の向上を図ることが大切だ

などと、移設問題だけでなく経済振興策なども重視すべきと主張。

沖縄県の将来像をどう描いていくか。各候補者は、現実的な政策に基づいて、実りある論戦を展開すべきである

とも指摘しています。政府が支援する佐喜真氏を支持するニュアンスが色濃くにじんでいます