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  • 中国脅威 防衛強化 馬毛島を海・空自拠点に 鹿児島F15戦闘機展開
  • 富山、静岡など6人死亡 熱中症1500人超搬送
  • 司法取引初の適用 海外贈賄、企業免責へ 東京地検
  • 世界裏舞台 作家佐藤優 「宗教的安全保障」

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離婚後も「共同親権」検討…政府 面会促し健全育成

読売新聞1面の独自記事です。

政府が、離婚後に父母のいずれか一方が親権を持つ「単独親権」制度の見直しを検討していることがわかった。離婚後も双方に親権が残る「共同親権」を選べる制度の導入が浮上している

と報じています。民法819条の規定されている離婚後の単独親権のもとで、

親権のない親はほとんど子育てに関われず、面会交流も著しく制限されるのが実情だ

と指摘。これに対して欧米では「共同親権」が主流で、離婚後も父母が共同で子育てを担っていると紹介。「子どもの利益」の観点から政府は法改正に着手する、と解説しています。
同じく子どもの利益の観点から、政府は「特別養子縁組」の対象拡大を検討することや、親が出生届を出さないため戸籍に記載されない「無戸籍者」問題への対応などについても「共同親権 検討…子の養育環境 最優先」で詳しく報じています。

日米原子力協定、延長へ あす満期 プルトニウム削減が課題

日本に原発の使用済み核燃料の再処理を認めている「日米原子力協定」が明日で30年の満期を迎え自動延長されるのを機に、日本の核燃料サイクル政策やプルトニウム保有の課題について現状をまとめた記事です。
原発の使用済み核燃料を再処理して得られるプルトニウムは原爆に転用できるため、核不拡散条約(NPT)の下で非核保有国には許されていません。日本は日米原子力協定を根拠に唯一の例外として再処理が認められていて、核燃料サイクル政策が可能となっています。
しかし、核燃料サイクルの柱だった高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉が決まり、余ったプルトニウムを消費する「プルサーマル発電」もなかなか進んでいません。こうした中、日本は国内外に原爆6000発分にあたるとされる約47トンものプルトニウムを抱えています。
記事では、日本に対してプルトニウムの具体的な削減策を示すよう求める声が国内外で強まっていることや、協定の自動延長後は日米どちらか一方の事前通告で半年後に協定を終了できるため、今後はアメリカ政府の意向に左右されやすくなることを指摘しています。
朝日新聞の今日の別の記事「プルトニウム削減、米迫る 核リスク、日本に厳しい目 原子力協定延長へ」ではこの問題をさらに詳しく解説しています。
日米原子力協定が再交渉ではなく自動延長になったことについては、

再交渉になった場合、核不拡散派が一定の勢力を占める米議会で、改定案が了承される見通しは立たない。日米関係にあえて水を差すリスクを選ぶより、議会の手続きが要らない自動延長に落ち着いた

などと背景を解説しています。

核燃料サイクル政策をめぐる各社の主張

朝日新聞は今日の社説でこの問題を取り上げ、「破綻を認め撤退すべきだ」と主張しています。
他の4紙の過去の社説での主張を振り返ると、毎日の主張は朝日と近く、撤退を検討すべきという立場です。
日経は、議論すべき点は多いとしながらも「すぐに放棄することはできない」という立場です。
一方、読売・産経は、資源に乏しい日本にとって重要だとして、核燃料サイクル政策を支持しています。

朝日新聞

朝日新聞は今日の社説「核燃料サイクル政策 破綻を認め撤退すべきだ」で、

いまやプルトニウム利用の合理性は失われている。政府は核燃料サイクルの破綻(はたん)を認め、撤退を決断するべきだ

と主張しています。その理由として真っ先に挙げているのは、日本が大量のプルトニウムを保有していることに対する国際社会の厳しい目です。この点、日本政府もプルトニウムの削減を掲げているものの、説得力がある計画を示していないと指摘しています。また、

そもそも現在、ウランの供給は安定しており、再生可能エネルギーも広がりつつある。コストの面でもエネルギー安全保障の面でも、わざわざプルトニウムを使う理由はない

とも指摘。

いま政策の転換を決断せずに青森県六ケ所村の再処理工場とMOX燃料加工工場を稼働させれば、40年間の操業や設備投資などに12兆円近くかかる。破綻した政策の延命に巨費を注ぎ、電気料金の形で消費者に負担させ続けるのは理不尽である

として、政府の責任で核燃料サイクル政策から撤退すべきだと訴えています。

毎日新聞

毎日新聞は2018年1月17日の社説「日米原子力協定の延長 再処理策を見直す契機に」で、この問題を取り上げています。
日米原子力協定の自動延長が確実となり、使用済み核燃料の再処理も引き続き認められると状況を説明した上で、

従来の原発政策を維持したい日本政府にとって短期的には望ましいかもしれない。しかし、日本の再処理政策の矛盾はエネルギー政策と核の拡散防止の両面で深まるばかりだ。しかも、延長後は日米いずれかが通告すれば半年後に協定が終了するという不安定な状況も生まれる。日本は協定を漫然と延長するのではなく、これを契機に、再処理政策の変更に向けかじを切るべきだ

と主張しています。問題視しているのは、やはり日本のプルトニウムの大量保有です。

核兵器に転用できるプルトニウムを消費するあてのないまま大量に持つことは、核の拡散防止の観点から問題が大きい。中国や韓国との間に緊張をもたらし、米国から懸念の声が上がるのは当然のことだろう。核テロの標的となるリスクも否定できない

と指摘。

サイクル政策からの撤退を改めて検討することが重要ではないか

と訴えています。

日経新聞

日経新聞は2018年1月19日の社説「核燃サイクルを問う機会に」で、この問題を取り上げています。
日米原子力協定が自動的に延長されることになったことを紹介し、トランプ政権が協定の見直しを求めなかったこと自体は「日本にとって歓迎すべき」と評価する一方で、核燃料サイクルの実現が大幅に遅れていることを指摘し、

日米協定の延長で、核燃料サイクルにとっては猶予期間が生まれたことになる。その時間を政策見直しの議論にあてるべきだ

と指摘。

資源が乏しい日本にとって、ウランを繰り返し使える核燃料サイクル政策をすぐに放棄することはできない。しかし、使用済み核燃料の全量を再処理する必要があるのかや、中間貯蔵施設の位置づけ、高速炉の開発をどうするかなど議論が必要な項目は多い

と指摘した上で、費用対効果の検証やプルサーマル計画の推進を主張しています。議論すべきことは多いとしつつも、核燃料サイクル政策を「すぐ放棄することはできない」という立場です。

読売新聞

読売新聞は2018年1月23日の社説「日米原子力協定 核燃サイクルの実現が大切だ」で、この問題を取り上げています。

原子力発電所の使用済み核燃料から回収したプルトニウムを燃料に用いる。エネルギー資源に乏しい日本にとって、核燃料サイクルは重要だ。その実現へ、より真摯な取り組みが求められる

と主張。核燃料サイクル政策を明確に支持しています。
日本が大量のプルトニウムを保有していることについては「国際的に厳しい視線を浴びよう」と指摘した上で、プルトニウム燃料を使う「プルサーマル発電」を推進すべく、原子力規制委員会に対して審査の加速を求めています。また、

中国は今月、日本と同規模の再処理工場を建設する覚書をフランスと結んだ。先月には、プルトニウム燃料を効率良く使える高速炉の建設にも着手した。ロシアやインドも、核燃料サイクルで放射性廃棄物の処分効率化とウランの有効利用を目指す

といった諸外国の事例を紹介し、

日本もエネルギー安全保障の観点から、原子力利用を安定的に進めるべきだ

と訴えています。

産経新聞

産経新聞は2018年1月21日の社説「日米原子力協定 安定的持続へ課題解決を」で、この問題を取り上げています。
日米原子力協定の自動延長が確定したことを「歓迎」しつつも、今後は半年前の通告で協定終了が可能になったことから、これまでとは事情が違うことを日本政府は強く意識すべきだと指摘。その上で、

原発の再稼働に本腰を入れ、プルサーマル発電を増やして日本が保有する余剰のプルトニウムを積極的に減らすことが、米国から求められる核不拡散への対応として重要だ。「もんじゅ」に続く高速炉の開発と再処理工場の完成に向けた加速も緊急の課題である

として、核燃料サイクル政策の推進を主張しています。
また、2018年6月27日の社説「国産プルトニウム 特徴の説明と消費を急げ」では、日本が約47トンのプルトニウムを保有していることについて、原爆6000発に相当する「風評が一人歩きしている」と指摘。

日本が持つプルトニウムは「原子炉級」と呼ばれるもので、核分裂しない種類のプルトニウムが多く含まれる(略)これに対し、「核兵器級」のものは、日本とは別タイプの原子炉から生焼けの燃料を数週間後に取り出すので、核分裂しやすい種類のプルトニウムに富んでいる。同じプルトニウムでも性質は大きく違う。日本のプルトニウムでは、どんなに頑張っても本格的な原爆は造れない。日本政府は、この科学的事実を世界だけでなく、国内にも周知しなければならない

と主張しています。

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