学校法人「森友学園」への国有地売却や学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、衆・参両院の予算委員会で安倍首相が出席する審議が行われた。

この中で財務省の太田理財局長は、森友学園への国有地売却にあたり地中のごみの撤去費用として鑑定価格から約8億2千万円が値引きされた問題について、財務省の近畿財務局が国交相の大阪航空局に対して値引き額を増額するよう提案していたことを明らかにした。
具体的には、2016年4月12日に大阪航空局が近畿財務局に対し、ごみの撤去費用の見積もり額を約6億7千万円と伝えたのに対し、近畿財務局は、ごみの撤去が必要な土地の対象範囲をグラウンドの一部にも広げるよう提案した。大阪航空局はこの提案を受けて、2日後の2016年4月14日には、撤去費用の見積もりを約8億2千万円に増額している。この撤去費用をめぐっては、会計検査院は2017年11月、算定方法について「十分な根拠が確認できない」と疑問を呈している。

また、財務省が作成していた森友学園側との交渉記録に、安倍昭恵首相夫人付きだった谷査恵子氏が財務省の担当者に問い合わせたことが記されていたことについて、安倍首相は「値下げや優遇をしてくれということではなく、制度の問い合わせだ」と述べ、問題ないとの認識を示した。

一方で、加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、安倍首相は、2015年2月に安倍首相と加計理事長が面会したことが記載されている愛媛県の文書について、「私と加計氏が面会したとされている場に愛媛県がいたわけではなく伝聞の伝聞だ」などと述べ、改めてこの日の面会を否定した。

野党側は、真相解明のために加計理事長や安倍昭恵首相夫人などの証人喚問などを求めているのに対し、与党側はこの問題に幕引きを図りたい考え。