学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題で、愛媛県の中村知事は、2015年4月に柳瀬元首相秘書官が官邸で加計学園側と面会したことに関して、県が当時作成した内部文書が新たに見つかったとして、この文書を国会に提出した。
この中で、2015年3月に愛媛県と加計学園側との打ち合わせ内容をまとめた文書では、加計学園側から愛媛県への当時の報告内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」などと記載されている。
安倍首相はこれまで、加計学園の獣医学部新設の計画について始めて知ったのは、加計学園が国家戦略特区の事業者に選定された2017年1月20日だと説明してきた。今回の愛媛県の内部文書の記載が事実ならば、安倍首相は加計理事長から2015年2月に獣医学部新設計画について説明を受けていたことになり、矛盾する。
これについて加計学園は、「理事長が2015年2月に総理とお会いしたことはございません」などとするコメントを出し、文書の記述内容を否定した。