北朝鮮外務省は国営テレビを通じて、先月の朝鮮労働党中央委員会総会で決定した、北朝鮮北東部のプンゲリにある核実験場の廃棄について、今月23〜25日の間に行うと発表した。
具体的な手法については、「核実験場のすべての坑道を爆破して崩落させ、入り口を完全に閉鎖したあと、地上にあるすべての観測施設と研究所などを撤去する順序で行う」「警備の人員と研究者を撤収させ、周辺を完全に閉鎖する」などと説明した。
また、北朝鮮東部ウォンサンにプレスセンターを設け、核実験場廃棄の様子をアメリカ、韓国、中国、ロシア、イギリスの報道機関に公開すると発表した。
6月12日に開催される予定の史上初の米朝首脳会談にむけて、非核化に向けた姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
アメリカのトランプ大統領はツイッターで、「北朝鮮が6月12日の米朝首脳会談の前に核実験場を廃棄すると表明した。ありがとう。とても賢く丁重な行動だ」と評価した。

北朝鮮は2008年にはニョンビョンで実験用原子炉の冷却塔を爆破し、その映像を海外メディアに公開し、非核化に取り組む姿勢をアピールした。
しかし、北朝鮮はその後、ニョンビョンの核施設を整備し直して再稼働する方針を打ち出し、核開発を推進した経緯がある。
このため、今回の核実験場の放棄に対しても懐疑的な見方がある。