先月16日に名古屋市の中学校が文部科学省の前の事務次官である前川氏を総合学習の講師として招いたことについて、文科省は前川氏を招いた理由や授業内容の報告を求めていた。
これについて文科省は、文部科学省が名古屋市教育委員会に対して調査する前に、自民党の文部科学部会の部会長(赤池誠章参議院議員)と部会長代理(池田佳隆衆議院議員)の2人から問い合わせを受けていたことを明らかにした。
問い合わせは、赤池議員からは授業が行われた翌日の先月17日、池田議員からは19日だった。
また、池田議員に対しては、今月1日に文科省側が質問状を見せたうえ、池田議員から指摘を受けた内容を2か所修正していたことを明らかにした。文科省は「質問状の修正や授業内容の調査はあくまでも初等中等教育局の判断で行った」と説明した。
この件について林文科大臣は記者会見で、調査そのものは法令に基づき適切だとする一方、文科省が教育委員会に送ったメールについて「全体的に圧力を与えかねないということがあった」と指摘した。
一方、赤池議員は、自らも池田議員も調査そのものへの働きかけはしていないとした上で、記者団に対し「私の問題意識は、法令に違反した違反行為者を義務教育、それも公立中学校での正式な授業に呼ぶことが法令上問題があるかないかだった。事実確認を『圧力と感じる』ということになると、国会議員の仕事ができなくなってしまう」などと述べた。
前川氏は文科省幹部の天下りあっせん問題で今年1月に事務次官を引責辞任した。
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