核兵器を「非人道的」として禁止する条約の制定を目指す交渉が国連で始まった。100以上の非核保有国が参加する一方で、核兵器保有国は条約に反対し、交渉に参加しない。アメリカの国連大使は会見で「北朝鮮が核ミサイル開発を進める中で核兵器を放棄できない」などと述べた。日本は、核軍縮は核保有国と非保有国の協力が不可欠だとして、交渉に参加しないことを表明した。唯一の被爆国である日本の不参加表明に国際社会や国内の被爆者団体などから批判の声が上がっている。

菅官房長官は記者会見で「交渉には5つの核兵器国がいずれも出席していない。このような環境では核兵器国と非核兵器国の対立をさらに深め、かえって核兵器のない世界を遠ざけるものになると判断した」と述べた。

岸田外務大臣は会見で「核兵器のない世界に対して現実に資さないのみならず、核兵器国と非核兵器国の対立を一層深めるという意味で逆効果にもなりかねない」「核兵器国と非核兵器国がともに参加する枠組みの中でこれからも辛抱強く努力することこそ現実的で、核兵器のない世界に向けての最短の道であると信じている」などと述べた。

長崎市の田上市長は「被爆地としては到底理解できないし、深い失望を感じている」「今回の交渉会議の方向性を踏まえたうえで、6月の2回目の会議に向けて日本政府には再度出席を求めたい」などと述べた。

日本原水爆被害者団体協議会の箕牧代表理事は会見で、「怒り心頭でがっかりした」「交渉に参加し、唯一の戦争被爆国の政府としてふさわしい役割を果たしてほしい」などと述べた。