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【ニュース用語解説】衆議院の「解散」や「解散の大義」って?

衆議院の「解散」ってなんのことかわかりますか?
たしか、衆議院には「解散」があるけど、参議院にはないんだニャ。
衆議院の議員の任期は4年だけど、衆議院が「解散」されれば議員としての立場は失われて、40日以内に総選挙が行われるルールになっているニャ。
衆議院の「解散」に関しては、日本国憲法の第7条と第69条に規定があります。
第69条は、

内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない

と定めているヨ。

たとえば、内閣に対する不信任決議案が可決された場合、内閣は衆議院を解散するか、総辞職するかのどちらかを選ばないといけない、ということだわ。
そして憲法第7条は、天皇が「内閣の助言と承認」によって行う国事行為の1つに衆議院の解散を挙げているんや。
天皇は「国政に関する権能を有しない(憲法第4条)」から、内閣、ひいてはそのトップである内閣総理大臣に「解散権」があるとみなされておる。
このことを「解散権は内閣総理大臣の専権事項(せんけんじこう)」と表現するんじゃ。
じゃあ、総理大臣はいつでも好きなときに解散できるのかニャ?
理屈の上ではそうですが、国会が開かれている期間中に行うべきだと考えられています。
過去にも国会が閉会中に解散された例はないんです。
なるほど・・解散の時期を考えながら国会の会期を延長したり、閉会中であれば国会を招集することもある、ということだわ。
それに「解散の大義」なしに解散するわけにもいかないです!
「解散の大義」って何かニャ?
政治上の重要な課題について「国民の信を問う」つまり国民の声を聞こうじゃないか、という風に解散の理由が掲げられるんです!
この解散の理由のことを「解散の大義」と呼びます
例えば2005年の「郵政解散」では、当時の小泉総理大臣は「郵政民営化が、本当に必要ないのか。賛成か反対かはっきりと国民に問いたい」と訴えたヨ。
「解散の大義」は、郵政民営化の是非だったということだネ。
いちばん最近の事例、2017年9月の衆議院解散のときは、安倍総理は「この解散は、国難突破解散であります」と述べたで。
北朝鮮問題や少子高齢化を「国難」と位置付けて、その国難を乗り越えるために国民の声を聞きたい、と訴えたんや。
この解散については、野党や朝日・毎日新聞などは大義がないと批判したニャ。
一方で、読売・産経新聞は理解を示していたニャ。
読売新聞が言うように、

衆院解散は長年、「首相の専権事項」とされ、定着している。自らが目指す政治や政策の実現のため、最も適切な時期に総選挙を実施するのは宰相として当然だ
(2017年9月6日 社説より)

と思うがのう。

でも、総理の好き勝手に国会を解散できるなんてあんまりだわ。
イギリスでは首相の解散権が制限されたし、ドイツではそもそも首相は解散権をもっていないらしいわ。
そうした諸外国の事例も背景に、野党は解散権を制限すべきと訴えているよネ。
ことし夏には参議院の選挙がありますが、同じ日に衆議院の選挙も行う「衆参ダブル選挙」が取りざたされています。
その場合、衆議院を解散する大義は何なのかも注目ですね。

【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

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