1面記事一覧
朝日新聞 1面記事一覧
日銀、緩和策を修正 金利上昇容認、副作用無視できず
プルトニウム上限47トン 現有分、削減には課題 原子力委
理科でも解釈・記述が苦手 小6・中3、学力調査
毎日新聞 1面記事一覧
日銀 決定会合 緩和継続を強調 物価見通し下方修正
原子力委 プルトニウム削減明記 新指針、六ケ所再処理量制限
全国学力テスト 成績、差は縮小 小中・下位3県、6種類で改善 前年度比
日経新聞 1面記事一覧
日銀緩和継続、副作用に配慮 長期金利上限 0.2%容認 物価目標達成は21年度以降
長崎の地銀統合承認へ ふくおかFG・十八銀 公取委が最終調整
中国、景気重視に転換 政治局会議 公共投資拡大へ
人材開国(下) 共生へ百年の計あるか 解なき先行国
読売新聞 1面記事一覧
日銀 金利上昇容認 緩和継続…物価2% 21年度以降
学テ 下位の底上げ進む…理科 実験考察に課題
日露、対北で一致点探る…2プラス2 日本、制裁履行要請へ
ふくおかFG・十八銀 公取委が統合承認へ…最終調整
産経新聞 1面記事一覧
日銀 長期金利の上昇容認 金融緩和 一部修正 銀行苦境 副作用を是正 物価2%達成へ長期戦
学力テスト底上げ続く 応用力問題 今年も苦手
西日本豪雨 故障の太陽光パネル 感電恐れ
北、新たにICBM製造 米紙報道
ピックアップニュース
日銀、金融緩和策を一部修正。長期金利の一定の上昇を容認
日銀は、30日と31日に開いた金融政策決定会合で、現在0%程度に誘導するとしている長期金利について一定の上昇を容認するなど、金融緩和策の一部修正を賛成多数で決めました。
日銀の黒田総裁は記者会見で、「金融緩和の持続性を強化するため」と狙いを説明しました。また、「早期に出口に向かうのではないかといった観測は完全に否定できる」と述べ、今回の決定は、金融緩和の「出口戦略」つまり金融緩和策を終了させるものではないことを強調しました。
日銀が合わせて公表した最新の物価予測では、2020年度でも物価上昇率が1.6%にとどまり、目標としている2%の達成はなお見通せない状況です。
日銀の発表および黒田総裁の会見の主なポイントは以下の通りです。
- 長期金利の0.2%程度までの上昇を容認
- 短期金利の「マイナス金利」を適用する金融機関の当座預金の減額
- 日銀が買い入れているETF(=上場投資信託)の購入配分の見直し
- 金融政策の先行きを示す「フォワードガイダンス」導入
黒田総裁は記者会見で、長期金利の誘導目標について「今の政策の導入後のおおむねプラスマイナス0.1%の幅から、上下倍程度に変動しうることを念頭に入れる」と述べました。
現在10兆円に対してマイナス0.1%の金利をかけている対象を、5兆円程度に減らします。
東証株価指数(TOPIX)に連動したETFの割合を高めることで幅広い銘柄に分散投資し、特定企業の株式に保有が偏らないように改めます。
日銀の発表の中で「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」として、現在の金融緩和策を継続する姿勢を強調しました。
日銀の金融緩和策をめぐっては、金利の低下によって金融機関の収益が低下し、国債の取り引きが低調になるなどの副作用が指摘されています。日銀は、長期金利の変動の幅を広げることでこうした副作用に配慮する姿勢を示し、金融緩和の持続性を強化するのが狙いです。
日銀の金融緩和策の一部修正めぐる各社の主張
朝日新聞を除く4紙がきょうの社説で取り上げています。
毎日新聞
毎日新聞はきょうの社説「日銀が金利上昇を容認 時間稼ぎの副作用対策だ」の中で、
強力な金融緩和により、国債や株式の市場がゆがめられ、銀行の経営が打撃を受けるなど、弊害が深刻化している。そうした副作用に対処したことを評価する向きもあろう。しかし、ここで問うべきは、副作用対策をとってまで、なぜこの異次元緩和策をさらに長期化させねばならないか、だ
と指摘。
政策の失敗は明らかだ。しかし、黒田東彦総裁は、「間違っていたとは全く思わない」と強弁を続ける。物価上昇の勢いは続いており、時間をかけたら、いずれ2%に達すると繰り返すばかりだ。
失敗を認め、本質的な政策転換に踏み切れば、反動により円高や金利上昇が一気に進みかねない。アベノミクスを根底から揺るがす事態は避けなければならないのだろう
と厳しく分析しています。
劇薬政策の長期化がもたらす弊害は、小手先の修正で解消できるものではない。しかも、いったん修正を加えたら、「次」を催促するのが市場である。
日銀の思惑通りに事が進む保証はない。重大な事態に陥った場合、日本経済や国民生活に被害が及ぶことだけは明らかだ
と、日銀が進める金融緩和策の抱えるリスクを強調しています。
日経新聞
日経新聞はきょうの社説「金融緩和の長期戦に備える日本銀行」の中で、
物価見通しを引き下げ金融緩和の長期化を覚悟する一方、それに伴う経済への副作用にも配慮する姿勢をみせる。日本銀行が30~31日の金融政策決定会合で決めたのはこんな内容だ。
物価の上昇力が鈍いなかで現実的な対応ではあるが、金融政策が複雑になり、わかりにくくなっていることは否めない。日銀は市場との対話や国民への説明の努力をさらに進めてほしい
「長期金利の小幅上昇を容認しながら、金融緩和を続ける」という日銀の説明は一般にはわかりにくい。日銀は金融緩和の副作用には目配りしつつ、政策をめぐる市場との対話に細心の注意を払うべきだ。日銀の国債購入と低金利政策が続くなかで、政府の財政健全化の取り組みが緩まないようにすることも重要だ
などと指摘し、日銀に「市場との対話や国民への説明」を求め、政府に対しては財政健全化への取り組みが緩まないようクギを刺しています。
読売新聞
読売新聞はきょうの社説「日銀政策修正 金融緩和の持続性を重視した」の中で、日銀の判断を
5年を超えた大規模な金融緩和の副作用を抑えながら、粘り強く脱デフレに取り組む姿勢を示したと言えよう
と解説。
国債購入の柔軟化はやむを得まい
日銀は、「マイナス金利政策」の修正にも乗り出した(略)銀行の本業の収益悪化に配慮したことがうかがえる
日銀は、年6兆円ペースで進めている上場投資信託(ETF)の買い入れ方法も見直す(略)特定の銘柄で、日銀の間接的な保有割合が増えることを避ける目的だ。現実的な判断と言える
などと、日銀の決定について理解を示しています。その上で、
物価がなかなか上がらない理由として、消費者のデフレ心理や正社員の賃金伸び悩み、ネット通販による安売りなどを挙げた。こうした要因は短期間に改善する可能性は低い。分析を生かし、金融緩和の効果を着実に浸透させていくことが欠かせない。
無論、金融政策に限界はあり、政府の成長戦略が重要になる。企業業績が好調な今は、設備投資や賃上げを積極化させる好機だ。需要拡大が物価を押し上げる経済の好循環につなげたい
と指摘しています。
産経新聞
産経新聞はきょうの社説「日銀の金融政策 持久戦への対応を万全に」の中で、
5年前に始めた大規模緩和にもかかわらず、物価は思うように上がらない。当初2年で果たせると約束した2%の物価上昇率の達成は遠い。持久戦に対応していくためには、副作用に目をつむり続けるわけにはいかず、柔軟に対処するよう追い込まれた形である。
もとより日銀は、政策運営の修正を繰り返す現状が国民からの信頼感を減じさせていることを、まず厳しく受け止めるべきだ。
その上でデフレ脱却を確実にしなければならない。景気や市場に細心の注意を払いつつ、より丁寧な政策運営に努めてほしい
と、日銀に対して現状を厳しく指摘するとともに、「丁寧な政策運営」を求めています。
また、日銀の金融緩和の長期化することについて、
問題はこれをいつまで続けるのかが、見通せないことだ。日銀は物価が上昇しにくい背景として企業や家計の根強いデフレ心理や、ネット通販の拡大などで価格競争が激化していることを挙げるが、2%目標を安定的に持続するという想定にどこまで現実味があるのか。金融政策の妥当性を検証する不断の作業が欠かせない
と指摘し、日銀が掲げる物価2%上昇目標について「妥当性の検証」が必要だとして、現在の金融緩和策に懐疑的な立場です。
コメント