公約の冒頭では、
いまでは当たり前になった「教科書の無償配布」や「児童手当」。さらには「幼児教育の段階的無償化」、「返済の必要のない”給付型”を含む奨学金制度の拡充」など、ある時は地方議員とも連携し、粘り強く実現に導いてきたのは公明党です。だからこそ、公明党がやります
とこれまでの実績をアピール。「教育の無償化」を目指すと強調し、消費税率10%への引き上げを財源に充てると訴えています。また、
衆院選挙は、確かな実績を持つ”安定の政治”の継続か、理念・政策の一致なき”バラバラ政治”を選ぶのか、日本の未来を決定する「政権選択選挙」です。公明党は、引き続き、安定した政治の一翼を担う政党として、国民の暮らしを守り、希望ある日本の未来を開いていくことをお約束します
と「安定の政治」を訴えています。
主要な争点における公明党の主張は以下の通りです。
アベノミクス「これからが本番」
公約に「アベノミクス」という言葉は出てきませんが、
連立政権5年。公明党は、経済再生を最優先に、働き方改革、一億総活躍社会の実現など、改革を前に進めてきました。連立政権発足以降、「経済の好循環」が回り始めました。いよいよこれからが本番です
働き方改革や生産性の向上を通じて潜在成長率を高め、中長期的に、実質GDP成長率2%程度、名目GDP成長率3%程度を上回る経済成長の実現をめざします
などと主張。アベノミクス推進を訴えています。
消費税率10%へ「教育の無償化等にも充当」
2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げと同時に飲食料品等に対する「軽減税率」制度を確実に実施します
消費税の使途について、10%引き上げ時の財源の配分割合を変更し、教育の無償化等にも充当できるよう安定的な財源を確保します
として、消費税を予定通り10%に引き上げると主張。その際に軽減税率を導入することや、財源を教育無償化に充てることなどを訴えています。
安全保障関連法「適正な運用を積み重ねる」
平和安全法制の適正な運用を積み重ね、法の趣旨を踏まえた実績の蓄積をめざします
平時から緊急事態までの切れ目のない体制を強化し、抑止力を向上させるための施策を推進する
と主張。日米同盟を強化すると訴えています。
憲法9条に自衛隊明記「理解できないわけではない」
9条1項2項を維持しつつ、自衛隊の存在を憲法上明記し、一部にある自衛隊違憲の疑念を払拭したいという提案がなされています。その意図は理解できないわけではありませんが、多くの国民は現在の自衛隊の活動を支持しており、憲法違反の存在とは考えていません。今、大事なことは、わが国の平和と安全を確保するため、先の平和安全法制の適切な運用と実績を積み重ね、さらに国民の理解を得ていくことだと考えます
国会の憲法審査会を中心に、丁寧かつ冷静な論議、検討を行い、多くの政党の合意形成が図れるよう努めていくべきです
と主張。自衛隊を9条に明記することに理解を示しつつも、必ずしも必要ないとの立場です。
普天間基地の辺野古移設:公約に言及ないが推進
去年の参院選と同様、「普天間」「辺野古」「沖縄」「基地」といったキーワードは公約の中で言及されていませんが、政権を担う与党として推進する立場です。
原発「ゼロを目指す」
原発の新設を認めず、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の高効率化を図り、原発に依存しない社会・原発ゼロをめざします
再稼働については、原子力規制委員会が策定した厳格な規制基準を満たした上で、立地自治体等関係者の理解を得て判断します
と主張。原発の再稼働は否定しないものの、新設は認めずに原発ゼロを目指すと訴えており、連立政権を組む自民党が原発を活用していく姿勢なのと考えに距離があります。
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