先週の政治振り返り
北朝鮮が21日夕方、弾道ミサイルを発射しました。国際社会の度重なる警告にもかかわらず、14日に続いて2週連続でのミサイル発射強行です。アメリカや日本などが「対話のための対話では意味がない」と圧力を重視しているのに対し、ロシアのプーチン大統領は圧力よりも対話を重視する考えを示していて、関係国の足並みがそろっていない課題も浮き彫りになっています。
5月15日(月)
北朝鮮、14日に新型の中距離弾道ミサイル「火星12型」の発射実験に成功と発表
北朝鮮メディアが発表した。実験に立ち会った金正恩朝鮮労働党委員長は、「アメリカ本土と太平洋作戦地帯は我々の攻撃圏内に入っている」とアメリカをけん制した。
ロシアのプーチン大統領、6か国協議の再開を呼びかけ
プーチン大統領は記者会見で、北朝鮮による14日の弾道ミサイル発射を非難するとともに、北朝鮮の核開発について話し合う6か国協議(日本、アメリカ、中国、韓国、ロシア、北朝鮮)の再開を呼びかけた。
プーチン大統領は「北朝鮮に対する脅しをやめ、問題の平和的な解決方法を見いだすべきだ」と述べ、アメリカのとる北朝鮮への圧力路線ではなく、対話での解決を目指すべきだとの考えを示した。
5月16日(火)
共産党、憲法9条改正阻止のための「闘争本部」を発足
安倍首相が憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記する考えを示したことをめぐり、「闘争本部」の初会合で共産党の志位委員長は「これは自衛隊を憲法上追認をするだけにとどまらず、海外での武力行使を無制限に可能にすることが一番の狙いであり本質だ」「改憲策動を絶対に阻止するために党の総力を挙げて頑張りぬく」などと訴えた。
政府「1票の格差是正」で公職選挙法の改正案を閣議決定
1票の格差是正のために政府の審議会が先月まとめた勧告をもとに、政府が公職選挙法の改正案を閣議決定した。衆議院の小選挙区は6つ減るほか、19都道府県の97の選挙区で区割りが変更される。政府はこの改正案の今の国会での成立を目指す。
国連の安保理が北朝鮮を非難。北朝鮮は反発
国連の安全保障理事会は北朝鮮による14日の弾道ミサイル発射を非難する報道機関むけの声明を発表した。声明では、すべての国連加盟国に対して北朝鮮への制裁の実施を求めた。
これに対して北朝鮮は、ミサイル発射は「自主権」だと主張し「安保理の声明を全面的に排撃する」とする談話を出し反発。「核兵器と核攻撃手段をより多く作り必要な実験の準備をさらに進める」として、核・ミサイル開発を進める姿勢を示した。
5月17日(水)
高浜原発4号機が再稼動。稼動中の原発は国内で4基に
関西電力の高浜原発4号機(福井県)が再稼動し、国内で稼動する原発は、九州電力の川内原発(鹿児島県)の2基と四国電力の伊方原発(愛媛県)1基と合わせて4基になった。高浜原発の3号機は6月にも再稼動となる見通し。
5月18日(木)
GDP(1~3月)速報値、年率2.2%。5期連続のプラス成長
実質成長率が前の3か月と比べて0.5%のプラス、年率換算で2.2%プラスとなった。個人消費の伸びが全体を押し上げた。5期連続のプラス成長は11年ぶり。
5月19日(金)
政府、天皇陛下の退位に関する特例法案を閣議決定
法案には自由党以外の与野党各党が賛成する見通しで、今の国会で成立する見通し。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法案について
(官邸HP資料)
「テロ等準備罪」新設法案、衆院の委員会で可決
法案は、自民・公明の与党と日本維新の会による協議を踏まえて、取り調べの際の録音や録画のあり方について速やかに検討することを法案の付則に盛り込むなどの修正を加えた上で衆議院の法務委員会で採決された。民進党や共産党は抗議したが、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決された。与党は来週にも衆院本会議で法案を可決して参院に送る方針だが、民進党や共産党などは反発を強めている。
5月21日(日)
アメリカ以外の11か国、TPP発効へ検討で合意
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)をめぐり、離脱を表明したアメリカ以外の11か国の閣僚はベトナムで会合を開き、TPP発効に向けた検討を始めることで合意した。11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)までに検討を終えることを目指す。
安倍首相、年内に自民党の憲法改正案をまとめる意向示す
安倍首相はニッポン放送の番組収録の中で憲法改正をめぐり、「まずは(自民)党内でしっかりと議論して年内に案をお示しできればと思う」と述べた。
北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射
日本政府によると、北朝鮮が発射したミサイルは約500キロ飛び、日本の排他的経済水域よりも外の日本海に落下しら。安倍首相は記者団に対し「国際社会の平和的解決に向けた努力を踏みにじるものであり、世界に対する挑戦だ」「今週にはG7サミッ(主要7か国首脳会議)も予定されており、北朝鮮の問題を主要な課題としてしっかり議論し、G7で明確なメッセージを発出したい」などと述べた。
今週の見通し
「テロ等準備罪」を新たに設ける法案をめぐっては、自民・公明と日本維新の会との協議を踏まえた修正が加えられた上で、衆議院の法務委員会で可決されました。民進党や共産党は法案を廃案を目指すスタンスを崩しておらず、与野党の対立が激しくなっています。今週、法案は衆院本会議を通過し参院に送られる見通しです。
26・27日にはG7首脳会議がイタリアで行われます。北朝鮮への対応も議題になると見られています。
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