先週の政治振り返り
北朝鮮の金正男氏(金正恩・朝鮮労働党委員長の兄)がマレーシアで殺害されました。当局による捜査中ですが、北朝鮮による暗殺との見方が出ています。日本政府はこの事件による日本への影響はないとしていますが、殺害の背景が不明なため、北朝鮮の体制が今後不安定化すれば、日本を含む国際関係にも影響を与えることも懸念されます。
2月13日(月)
GDP(10~12月)4期連続でプラス成長維持。
内閣府が発表した速報値。前の3か月と比べて実質で+0.2%、年率換算で+1.0%となり、4期連続でプラス成長を維持した。
ただ、「輸出」や「設備投資」はプラスとなった一方、GDPの6割を占める「個人消費」は1年ぶりのマイナスとなった。去年1年間を通したGDPは実質で+1.0%、名目で+1.3%となった。
2月14日(火)
安倍首相、普天間基地の5年以内の運用停止「難しい」
仲井真・前沖縄県知事から要望されていた普天間基地の5年以内の運用停止は、翁長知事のもとで協力が得られないため「難しい状況になっている」と述べた。
また、普天間基地の辺野古移設計画が「唯一の解決策であることは日米で一致した」と述べた。衆議院予算委員会での発言。
2月16日(木)
野党4党、稲田防衛相・金田法務省の辞任迫る方針。
民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党は、南スーダンのPKO活動に関する「日報」が正しく保管されていなかった問題や、「テロ等準備罪」に関する国会答弁をめぐり、両大臣を強く批判し辞任を迫る方針。政府・与党は辞任の必要はないとしている。
マレーシア政府、13日に暗殺された人物が「北朝鮮の金正男氏だと確認」
マレーシアで13日、北朝鮮国籍の男性が死亡した。韓国メディアなどはこの男性は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の兄・金正男(キムジョンナム)氏であり、北朝鮮によって暗殺されたと伝えてきた。
これについて韓国政府は15日、殺害された人物が金正男氏であるのは確実だと明言した。
マレーシア政府は16日、殺害された人物が金正男氏であると確認したと明らかにした。
菅官房長官は「わが国の安全保障に直接影響を及ぼすような特異な事象は確認をされていない」と記者会見で述べた。
2月17日(金)
韓国外相、慰安婦像の撤去へ「努力する」
“岸田外相と韓国のユン外相が会談し、慰安婦問題をめぐる「日韓合意」を実施していくことのの重要性を確認した。
韓国・プサンの日本総領事館前に設置された慰安婦像について、ユン外相は、不適切だとの認識を示した上で「可能な限り(慰安婦像の撤去にむけて)努力する」との考えを示した。
慰安婦像の問題を受けて一時帰国させている日本の長嶺大使を韓国に戻す時期について、岸田外相は「総合的に検討していく」との考えを示した。”
2月18日(土)
日中外相会談で中国は日本の振る舞いを批判。関係改善の重要性も指摘。
岸田外相と中国・王毅外相が会談した。中国側は、日本が先日のアメリカとの首脳会談で沖縄・尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲内であることや南シナ海をめぐる中国の動きをけん制したことを念頭に、「日本の振る舞いが関係改善への障害になっている」と日本を批判した。一方で、日中国交正常化45周年の節目の年にあたり「両国関係が正しい軌道に戻るよう努めるべきだ」として、関係改善の重要性にも言及した。
今週の見通し
天皇陛下の退位をめぐって、20日に衆議院・参議院の正副議長が各政党の意見を聞きます。いずれの政党も陛下の退位を認めることでは一致しています。自民党・公明党・日本維新の会などが主張する「一代限りの退位に道を開く」のか、民進党・社民党・自由党などが主張する「退位を恒久的な制度として位置付ける」のかが最大のポイントです。また、法整備の手法として、特別法で対応するのか、皇室典範の改正で対応するのかも焦点となります。
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