先週の政治振り返り
安倍総理大臣はアメリカ・ハワイを訪問し、オバマ大統領と共に、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しました。2016年5月のオバマ大統領の広島被爆地訪問も含めて、日米同盟の結びつきの強さを象徴するイベントとなりました。
一方で、韓国では慰安婦問題を象徴する新たな「少女像」がプサンに設置されました。2015年12月に日本と韓国の政府の間で慰安婦問題の最終決着を確認した「日韓合意」から1年、合意の趣旨が実現されない状況になっています。
12月26日(月)
- 天皇陛下の新年の感想取りやめ。宮内庁が発表
- 沖縄県知事、辺野古沖の埋め立て承認「取り消し」を撤回
- 日米両政府、アメリカ軍「軍属」の範囲縮小で合意
宮内庁は、毎年元日に行ってきた天皇陛下の「新年にあたっての感想」を取りやめることにしたと発表しました。
アメリカ軍普天間基地の移設計画をめぐり国と争った裁判で、沖縄県は訴れました。これを受けて翁長知事は自身による承認「取り消し」を撤回しました。政府による普天間基地の名護市辺野古への移設工事は再開される見通しですが、翁長知事は今後もあらゆる権限を使って移設を阻止する考えを示しています。
軍属は「日米地位協定」の対象と成ります。2016年4月に起きたアメリカ軍の軍属の男による女性殺害事件(沖縄)を受けて日米両政府の間で協議が行われてきました。岸田外務大臣は「アメリカ軍関係者の事件事故の効果的な再発防止につながることが期待される」などと述べています。
12月27日(火)
- アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設工事、再開。
12月28日(水)
- 韓国の最大野党党首「日韓合意」の撤回を要求
- 安倍首相、演説(ハワイ・真珠湾で慰霊後)
- オバマ大統領、演説(ハワイ・真珠湾で慰霊後)
- 安倍首相、オバマ大統領と共にハワイ・真珠湾で慰霊
慰安婦問題をめぐる「日韓合意」から12月28日で1年と成ります。韓国・ソウルの日本大使館前では市民団体が集会を開き、最大野党「共に民主党」のチュ代表が日韓合意を批判、合意の撤回を要求しました。
安倍首相はアメリカ・ハワイを訪問し、2017年1月で任期を終えるオバマ大統領と最後の首脳会談を行いました。その後両首脳は。真珠湾のアリゾナ記念館で旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しました。日本の首相がアメリカ大統領と共に真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊するのは初めてで、敵国同士だった日米が同盟関係を深めたことを示す象徴的な出来事となりました。
12月29日(木)
- 稲田防衛大臣、靖国神社を参拝
稲田防衛大臣が防衛大臣就任後初めて、靖国神社を参拝しました。稲田氏は例年、終戦の日・8月15日に靖国神社を参拝してきましたが、2016年8月15日は防衛大臣としての海外視察の日程と重なったとして参拝していませんでした。今回の稲田大臣の靖国参拝に対して、中国・韓国政府は反発しています。
12月30日(金)
- 韓国プサン、慰安婦問題めぐる新たな「少女像」設置
2016年12月28日、韓国のプサン(釜山)にある日本総領事館の前に、地元の学生らが慰安婦問題を象徴する「少女像」を置きました。地元自治体や警察は当初、像の設置を認めず撤去するなどの対応を取りましたが、その後一転して12月30日に像の設置を認めました。慰安婦問題をめぐり「最終的かつ不可逆的な解決」で合意した2015年12月の「日韓合意」から1年。合意の趣旨に反する状況となっています。
今週の見通し
去年は4日から通常国会が始まりましたが、今年は例年通り1月中旬以降に国会は招集される見通しです。4日には恒例の安倍総理や大臣らによる伊勢神宮参拝が予定されていますが、政治日程は多くはありません。
コメント