もくじ
【社説比較】憲法改正をめぐる主要5紙の主張
憲法記念日にあたり主要5紙が社説を掲載
憲法9条改正をめぐる各紙のスタンス
きょうの社説『憲法記念日 令和の国家像を描く議論を』では
憲法改正論議の中心は、9条である。一部に根強く残る自衛隊違憲論を払拭し、国の安全と国民の命を守る正当性を明確にする狙いは理解できる。
自民党がまとめた改正案は、戦力不保持を定めた2項を維持したまま、自衛隊の根拠規定を追加する。現行の条文に手を加えず、政府解釈との整合性を取った。
各党のみならず、国民に粘り強く理解を求めていくべきだ
と主張しておる。
きょうの社説『憲法施行72年 まず自衛隊明記が必要だ』の中で
「平和憲法」を金科玉条とする勢力の存在が安全保障に関する国民教育の妨げとなってきた。これがある種の「平和ぼけ」にもつながっていないか。
「戦力の不保持」を定めた9条2項を削除して軍の保持を認めることが9条改正のゴールだが、その前段として憲法に自衛隊を明記することは意義がある
とハッキリ言うとるで。ええか、自衛隊を9条に明記するのは、「戦力不保持」を定めた9条2項を削除するゴールにむけた第一歩という位置付けやで。
きょうの社説『より幅広い憲法論議を丁寧に』では
安倍晋三首相がこだわる「自衛隊を明記」には、憲法学者も賛成・反対だけではなく、条文の合理性などさまざまな観点から発言した。わかりにくい9条への理解を深める手助けになる。さらに活発な論議を期待したい。護憲派にありがちな「9条に指一本触れさせない」という態度は孤立の道に至るだろう
と「護憲派」をけん制しているヨ。
朝日新聞はきょうの社説『AI時代の憲法 いま論ずべきは何なのか』の中で、
改正が必要な根拠については時々で力点が変わっている。
憲法学者の多くが自衛隊を違憲といい、教科書にも「違憲」と書かれている。自衛官の子どもが肩身の狭い思いをしている……。今年に入ってからは唐突に、自衛官募集に自治体の協力が得られないことを理由に挙げだした。
正確な事実を踏まえず、自衛隊が国民の間にすっかり定着している現実をも無視した首相の主張は、「改憲ありき」のご都合主義にしか映らない
と安倍総理の姿勢を批判しています!「改憲ありき」の議論には賛同できません!
毎日新聞もきょうの社説『令和の憲法記念日に 国会の復権に取り組もう』の中で、憲法改正の議論が進まない現状について
野党の硬直的な態度が一因であることは確かだろう。しかし、本質的な原因は物事の筋道を軽んじる首相の姿勢にあるのではないか
と指摘しているわ。
憲法9条改正については
国内最強の実力組織である自衛隊を憲法上どう位置づけるべきか。その問題提起は間違っていない。
ただ、日本の防衛政策は憲法9条と日米安全保障条約のセットで成り立っている。9条に自衛隊と書けば、自衛官は誇りを持てるといった情緒論に矮小化すべきではない
9条の見直し議論は、日米安保体制や、不平等な日米地位協定の改定を含めてなされるべきだ
と思うわ。
各紙が重視する憲法改正のポイント
きょうの社説で各紙が主張・言及したテーマを一覧にすると、以下のようになります。
ちなみに朝日新聞がいちばん強調しているのは、AIと憲法との関係です!
懸念されるのは、たとえばこんな事態だ。
企業の採用や人事、金融機関の融資の審査といった場面で、さまざまな個人情報に基づいてAIが人間に点数をつける。いったんAIからだめ出しをされると、その理由の説明もないまま、否定的な評価が知らぬ間に社会で共有され、ずっとついて回る。
まさに、「個人の尊重」(13条)や「法の下の平等」(14条)という日本国憲法の基本的な原理に関わる問題だ
と問題提起しています!
憲法の天皇関連条文は元首の明文化など改正が必要だが、それ以前に条文の解釈や運用を、現実の国柄に合わせていく努力が必要である
と指摘して、お代替わりの儀式「退位礼正殿の儀」の時に、陛下のお言葉よりも安倍総理の国民代表の辞が先だったことにモノ申しとるで。
各紙の考え方の違いが色濃く出た紙面ですね。
【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧
朝日新聞
- 日朝会談「条件つけず」 首相、拉致問題前進の前提から転換 実現見通し立たず
- (通わぬ言葉:1)近づく五輪、やりきれぬ黒塗り
- 改憲機運「高まらず」72% 9条「変えない方がよい」64% 朝日新聞社世論調査
社説はこちらです!
毎日新聞
社説はこっちよ。
日経新聞
- 5G特許出願 中国が最大 世界シェア3分の1 自動運転など主導権狙う
- 令和を歩む(1)経団連会長 中西宏明氏 変化受け止め、次の革新
- FRB、金利据え置き 利上げ停止長期化も
- 街にあふれるお祝いムード
社説はこれだヨ。
読売新聞
社説はこれじゃ。
産経新聞
社説はこれやねん!
ここで紹介しているのは、東京都内で販売されている各新聞社の朝刊に基づいて、各社がウェブサイトに掲載している記事へのリンク集です。記事の見出しや本文は、朝刊と異なる場合があります。朝刊と同じ記事がウェブサイトに見つからない場合は朝刊の見出しを記載しています。
なお、コラムやイベントの宣伝記事などは割愛しています。
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