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【社説比較】憲法改正をめぐる主要5紙の主張

憲法記念日にあたり主要5紙が社説を掲載

安倍政権は2年前のきょう、憲法9条に自衛隊の存在を明記する考えを示し「2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っている」と述べました。
憲法を改正するためには、 衆参両院で3分の2以上の賛成を得て憲法改正案を「発議」し、国民投票で過半数の賛成を得ることが必要だと憲法96条に定められているニャ。
自民党・公明党・日本維新の会などの憲法改正に前向きな勢力を合計すると衆参ともに3分の2を超えてるけど、野党の強い反発もあって議論がなかなか進んでいないのが現実だニャ。
こうした中、憲法記念日のきょう、主要5紙が社説を掲載しました。憲法9条をめぐる各紙の主張を見ていきます。

憲法9条改正をめぐる各紙のスタンス

読売新聞は安倍総理の目指す憲法改正に賛成じゃ。
きょうの社説『憲法記念日 令和の国家像を描く議論を』では

憲法改正論議の中心は、9条である。一部に根強く残る自衛隊違憲論を払拭し、国の安全と国民の命を守る正当性を明確にする狙いは理解できる
自民党がまとめた改正案は、戦力不保持を定めた2項を維持したまま、自衛隊の根拠規定を追加する。現行の条文に手を加えず、政府解釈との整合性を取った。
各党のみならず、国民に粘り強く理解を求めていくべきだ

と主張しておる。

産経新聞も、もちろん賛成やで。
きょうの社説『憲法施行72年 まず自衛隊明記が必要だ』の中で

「平和憲法」を金科玉条とする勢力の存在が安全保障に関する国民教育の妨げとなってきた。これがある種の「平和ぼけ」にもつながっていないか。
「戦力の不保持」を定めた9条2項を削除して軍の保持を認めることが9条改正のゴールだが、その前段として憲法に自衛隊を明記することは意義がある

とハッキリ言うとるで。ええか、自衛隊を9条に明記するのは、「戦力不保持」を定めた9条2項を削除するゴールにむけた第一歩という位置付けやで。

日経新聞も、自衛隊を9条に明記する考えには理解を示しているヨ。
きょうの社説『より幅広い憲法論議を丁寧に』では

安倍晋三首相がこだわる「自衛隊を明記」には、憲法学者も賛成・反対だけではなく、条文の合理性などさまざまな観点から発言した。わかりにくい9条への理解を深める手助けになる。さらに活発な論議を期待したい。護憲派にありがちな「9条に指一本触れさせない」という態度は孤立の道に至るだろう

と「護憲派」をけん制しているヨ。

憲法9条改正にいちばん積極的な産経新聞、次いで読売新聞も安倍総理の提案した案に賛成、そして日経新聞は理解を示している、ということだニャ!
ちょっとまってください!
朝日新聞はきょうの社説『AI時代の憲法 いま論ずべきは何なのか』の中で、

改正が必要な根拠については時々で力点が変わっている。
憲法学者の多くが自衛隊を違憲といい、教科書にも「違憲」と書かれている。自衛官の子どもが肩身の狭い思いをしている……。今年に入ってからは唐突に、自衛官募集に自治体の協力が得られないことを理由に挙げだした。
正確な事実を踏まえず、自衛隊が国民の間にすっかり定着している現実をも無視した首相の主張は、「改憲ありき」のご都合主義にしか映らない

と安倍総理の姿勢を批判しています!「改憲ありき」の議論には賛同できません!

同感だわ。
毎日新聞もきょうの社説『令和の憲法記念日に 国会の復権に取り組もう』の中で、憲法改正の議論が進まない現状について

野党の硬直的な態度が一因であることは確かだろう。しかし、本質的な原因は物事の筋道を軽んじる首相の姿勢にあるのではないか

と指摘しているわ。
憲法9条改正については

国内最強の実力組織である自衛隊を憲法上どう位置づけるべきか。その問題提起は間違っていない。
ただ、日本の防衛政策は憲法9条と日米安全保障条約のセットで成り立っている。9条に自衛隊と書けば、自衛官は誇りを持てるといった情緒論に矮小化すべきではない

9条の見直し議論は、日米安保体制や、不平等な日米地位協定の改定を含めてなされるべきだ

と思うわ。

朝日新聞と毎日新聞は、安倍政権が進めようとしている憲法9条改正には反対の立場だニャ!

各紙が重視する憲法改正のポイント

憲法改正をめぐるテーマは9条だけではありません。
きょうの社説で各紙が主張・言及したテーマを一覧にすると、以下のようになります。

災害時の「緊急事態条項」の新設と、「強すぎる参議院」の見直しは、読売新聞と日経新聞が重要視しておる。
参議院の力が強すぎると、衆院と参院で多数派が異なる「ねじれ国会」になった時に、「決められない政治」に陥ってしまうのは問題だヨ。
朝日新聞と毎日新聞は、首相の権力に対する国会の機能強化を主張しているニャ!
当然だわ。

今、憲法をめぐって手当てが必要なのは、9条の問題よりもむしろ、国会の著しい機能低下だろう。その最たるものは首相権力に対する統制力の乏しさ

だと思うわ。

賛成です!
ちなみに朝日新聞がいちばん強調しているのは、AIと憲法との関係です!

懸念されるのは、たとえばこんな事態だ。
企業の採用や人事、金融機関の融資の審査といった場面で、さまざまな個人情報に基づいてAIが人間に点数をつける。いったんAIからだめ出しをされると、その理由の説明もないまま、否定的な評価が知らぬ間に社会で共有され、ずっとついて回る。
まさに、「個人の尊重」(13条)や「法の下の平等」(14条)という日本国憲法の基本的な原理に関わる問題だ

と問題提起しています!

産経新聞が重視しているのは日本の「お国柄」やで。

憲法の天皇関連条文は元首の明文化など改正が必要だが、それ以前に条文の解釈や運用を、現実の国柄に合わせていく努力が必要である

と指摘して、お代替わりの儀式「退位礼正殿の儀」の時に、陛下のお言葉よりも安倍総理の国民代表の辞が先だったことにモノ申しとるで。

憲法をめぐっては様々な論点がある中で、社説で何を取り上げ、どういう立場を明らかにしたのか。
各紙の考え方の違いが色濃く出た紙面ですね。

【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

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