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1面記事一覧

朝日新聞 1面記事一覧

注 目(#withyou~きみとともに~)学校に行くのが、つらい時は
出来事トルコ、両替でリラ支え 強まる反米、国債は格下げ
出来事アナン元国連総長死去 ノーベル平和賞受賞 80歳
出来事第14日(18日)の結果 第100回全国高校野球

毎日新聞 1面記事一覧

独 自水位情報 住民に「直送」 中小河川、逃げ遅れ防ぐ 政府検討
出来事ジャカルタ・アジア大会 熱き祝祭開幕 日本762人参加
注 目ジャカルタ・アジア大会 豪雨被災地に感動を 広島出身、山県・日本主将
出来事訃報 コフィ・アナン氏 80歳=第7代国連事務総長

日経新聞 1面記事一覧

解 説中国台頭、新興国のIMF離れ促す 「内政不干渉」が魅力、債務拡大リスク増幅
独 自老朽マンション、「玉突き」で建て替え 都、容積率上乗せで促進
出来事アナン元事務総長が死去 ノーベル平和賞
解 説米中硬軟 首脳会談第三国で模索/追加関税23日双方発動

読売新聞 1面記事一覧

出来事福島第一 津波対策を強化…「開口部」閉止 汚染水流出防ぐ
出来事熱戦開幕…アジア大会
出来事アナン元国連総長死去…80歳 国連外交、ノーベル平和賞
寄 稿[地球を読む]がん経験者支援 「サバイバー」運動3500キロ…垣添忠生 日本対がん協会会長

産経新聞 1面記事一覧

独 自がんゲノム登録義務化 厚労省 最適治療へ一元管理
出来事アジア大会開幕 日本最多762選手
寄 稿世界裏舞台 作家 佐藤優 記述式入試で個性見極め

社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

社説読み比べ(サマータイム導入の是非)

今月7日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長は、暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう安倍首相に求めました。これに対し安倍首相は、「内閣としても考えるが、まずは党のほうで先行して議論してもらいたい」と述べ、自民党内に検討を指示しました。
ただ、サマータイム導入に対しては、政府内や与野党から、2020年の東京五輪まで準備期間が短いことや、国民生活や企業活動にも影響を与えるなどの問題点が指摘されています。
このサマータイム導入の是非について、読売新聞が今日の社説で取り上げました。すでに社説を掲載していた朝日・毎日・産経を含め、日経を除く4紙が是非を論じています。4紙とも、サマータイムの導入に対しては否定的です

以下、4紙の社説を転載します。(※著作権法39条の規定および日本新聞協会の見解より、社説の転載は認められています)。

朝日新聞 サマータイム あまりに乱暴な提案だ(2018年8月12日社説)

 五輪を掲げれば、無理な話も通ると思っているのだろうか。

 東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が、標準時を早めるサマータイムを導入するよう、政府に求めた。安倍首相は「内閣としても考える」としつつ、自民党に検討を指示した。

 組織委は、低炭素社会づくりに向けた五輪のレガシー(遺産)にするという。聞こえはいいが、手段が目的に合うのか、コストや副作用はどれほどなのか、筋道だった説明はない。

 東京五輪での暑さ対策が狙いなら、競技の時間を変えればいい話だ。あまりにずさんな提案に、驚くしかない。

 現代社会では、情報通信機器は重要なインフラだ。システムの根幹にかかわる「時刻」をいじれば、どれほどの改修が必要になるのか。五輪までの2年間で万全にできるのか。費用はいくらで誰が負担するのか。

 サマータイムの是非は、これまでも度々議論されてきた。だが様々な問題点が指摘され、導入に至っていない。組織委は秋の臨時国会で議論して欲しいようだが、一足飛びに進めようとする姿勢は受け入れられない。

 サマータイムは、緯度が高い国で夏の日照を有効活用するための仕組みだ。だが近年、冬時間と夏時間の切り替え時に、従来の想定以上に睡眠と健康に影響を及ぼしているとの研究結果が出ている。日本睡眠学会も、いまでも短い日本人の睡眠時間をさらに削り、健康障害を広げかねないと警告している。

 「低炭素社会づくり」にはどの程度結びつくのか。欧州連合はサマータイムのあり方について域内で意見を募っているが、その際、省エネ効果については「わずかで、地理的位置にもよる」と指摘している。

 日本で約10年前に導入が検討された時は、家庭用の照明需要などが減るとの試算もあった。だが、炭素排出量全体と比べれば効果はかなり小さかった。他の不利益を上回る利点があるのか、社会や技術の変化も踏まえて、改めて見極めるべきだ。

 東京五輪に関しては、すでに費用が当初の想定を上回り、祝日の移動も決定された。組織委は、ボランティアの確保や交通混雑の抑制なども課題にあげている。

 大会を混乱なく運営するための工夫は必要だろう。しかし、号令一下で人々を動かそうとするかのような発想は、あってはならない。「錦の御旗」を振り回して日常生活への影響を当然視する姿勢に陥れば、「レガシー」にも傷がつく。

毎日新聞 サマータイム議論 「五輪のため」は短兵急だ(2018年8月10日社説)

 日照時間の長い夏場に時計の針を進めるサマータイム(夏時間)制度導入の是非を検討するよう安倍晋三首相が自民党に指示した。

 2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策が狙いだという。

 確かに、涼しい時間を活用できれば電力を節約でき、省エネ効果が見込める。日没までの余暇時間が増えれば消費拡大が期待できる。

 しかし、制度をめぐる議論は、何度も浮上しては消えてきた。

 1993年には資源エネルギー庁長官の私的懇談会が設置され、議論を重ねた。その後、超党派の議員連盟も発足し、繰り返し法案提出を目指したが、実現できていない。

 実現に至らなかったのは難点が立ちはだかっているからだ。日常生活やビジネスへの影響の大きさだ。

 コンピューターのシステム対応や航空・鉄道ダイヤの変更という課題がある。一日の活動時間が長くなるため、労働強化につながることも懸念されている。

 これらに解決のめどが立たないまま、暑さ対策を前面に出し、前向きに進めようというのは、目的と手段がアンバランスではないか。

 夏時間制度の検討は、組織委員会の森喜朗会長の要望に応えた格好だ。マラソンや競歩など長時間、屋外で行われる競技への対策である。

 これらは早朝にスタートするが、夏時間だと、現在よりさらに早くなり、涼しい時間帯に競技が進む。

 一方、夕方以降の競技は、逆に暑さが厳しい時間帯になる。例えば夏時間で午後6時に始まる競技は、現在の午後5時開始という具合にだ。

 競技日程には、巨額の放映権料を支払っている米国メディアの意向が反映されている。夏時間を導入すれば、当初の日程とずれが生じる。米国との調整は図れるのか。

 大会運営全体を考えての提案なのか疑問が拭えない。

 夏時間制度は国民生活に大きく影響する施策だ。五輪・パラリンピックだけの問題ではない。にもかかわらず、「スポーツの祭典」を錦の御旗(みはた)に、2年足らずのうちに実行しようというのは、短兵急に過ぎないか。

 森会長は「(制度が)続けば五輪のレガシー(遺産)になる」と話している。永続的なものにと考えるなら、なおのこと慎重さが必要だ。

日経新聞

日経新聞はこれまでにサマータイムをめぐる議論について社説で取り上げていません。

読売新聞 サマータイム 効果と弊害の慎重な見極めを(2018年8月19日社説)

 夏に時計の針を進めるサマータイム(夏時間)の導入論が浮上した。効果と弊害を慎重に見極めることが重要だ。

 夏時間は、2020年東京五輪の大会組織委員会が屋外競技の猛暑対策などを理由に、安倍首相に導入を求めた。首相は「国民の関心は非常に高い。党で先行して議論してほしい」と、自民党に検討を指示した。

 夏時間の導入は、国民生活や経済活動への影響が大きい。国民の幅広い理解が欠かせない。

 自民党内では、五輪に間に合わせるため、19年から試験実施する案も出ているが、拙速ではないだろうか。五輪対策であれば、競技時間の変更で事は足りよう。

 夏時間の意義だけでなく、不都合な点も含めて、国民的な議論を深めてもらいたい。

 夏時間は、長い日照時間を活用して標準時間を1時間程度早める制度だ。明るいうちに仕事が終わるため余暇時間が増え、経済効果が期待できる。企業が早めに冷房を切れば省エネにも資する。推進派はこうした利点を強調する。

 既に、欧米など60か国以上で導入されている。日本では戦後の4年間実施されたが、労働時間の増加などへの不満が強まり、取りやめた経緯がある。その後もたびたび導入論が出ては消えた。

 夏時間の問題点を指摘する声が絶えなかったためだ。

 時間のズレを補正するため、企業は大規模なシステム改修を迫られる。鉄道や航空など交通機関ではダイヤ変更に手間がかかる。

 ある鉄道会社は「始発を早めても、終電の前倒しは苦情が出る可能性があり、難しい」と困惑している。鉄道各社は、夜間の保守点検時間の不足も懸念している。

 一般の企業にも、明るいうちは仕事を続けようという意識が抜けず、結果的に残業が増えることを心配する声がある。「働き方改革」に逆行しないだろうか。

 もし19年から試験実施することになれば、来春の元号変更に伴うシステム更新とも重なる。企業や社員の負担はさらに増そう。

 そもそも夏時間は、夏の日照時間が極めて長い高緯度の国に適した制度だ。ほぼ中緯度に位置する日本で、どれほどのメリットがあるのか不透明とされる。

 夏時間を長年採用してきた欧州でさえ、見直しの機運が出ている。欧州連合(EU)は「体内時計が狂って体調を崩す恐れがある」など、睡眠や健康への悪影響を理由に存廃の検討を始めた。こうした海外の動向も参考にしたい。

産経新聞 サマータイム 混乱回避が導入の条件だ(2018年8月9日社説)

 日照時間が長い夏季に時計の針を進める「サマータイム制度」導入について、安倍晋三首相が自民党に検討を指示した。2020年夏に開催される東京五輪・パラリンピックの猛暑対策としての位置づけだ。

 外が明るい時間に仕事が終われば、家族らと過ごす時間が増え、個人消費の活性化につながるとの期待もある。

 だが、国民生活に大きな影響を与える制度だけに十分な吟味が欠かせない。とくに金融などコンピューターシステムの変更は大きな課題である。果たして五輪までの2年という限られた時間で万全の準備ができるのか。

 始業時間を早めても終業時間が今と変わらなければ、労働時間が長くなる恐れもある。国民の理解と混乱の回避を導入の条件としなければならない。

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が首相と会談し、大会中の暑さ対策として導入を要請した。自民党では1時間または2時間の繰り上げが検討されることになりそうで、来年に試験導入したうえで20年に本格実施する案がある。

 欧米を中心に世界約70カ国で導入されている。北半球の国では3月から10月または11月にかけて、明るく涼しい時間帯を活用している。照明や冷房の使用時間を短くして省エネを進め、地球温暖化防止の効果もあるとされる。

 ただ、緯度の関係から日本は欧米よりも夏季の日照時間が短い。大きな省エネ効果は見込めないのではないか。

 特に東京五輪・パラリンピックの暑さ対策とするのであれば、導入に伴う社会的・経済的なコストに見合う効果があるのか十分に見極めなくてはなるまい。サマータイムよりも競技自体の開始時間を前倒しする対策などとの比較も欠かせない。

 日本は戦後の占領期にエネルギー消費の抑制をねらって導入したが、国民の理解が得られずに中止した経緯がある。韓国も1988年のソウル五輪に合わせて導入したが「労働時間が長くなった」などとして撤回した。こうした過去の事例も検証してもらいたい。

 サマータイムは過去に何度も浮上しては消えていった。五輪に向けて導入しても混乱が生じては元も子もない。拙速は厳に慎むべきである。