北朝鮮は国営メディアを通じ、アメリカとの交渉に携わってきたキムケグァン第1外務次官の談話を発表した。この中で、
アメリカのボルトン大統領補佐官が、北朝鮮に核の放棄を先行させ、その後に見返りを与える「リビア方式」が欠かせないと主張したことや、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化が達成されるまでは北朝鮮に見返りを与えるべきではないと述べたことを非難した。
また、生物・化学兵器などの大量破壊兵器を廃棄する必要があるとしていることも批判し、「崩壊したリビアやイラクの運命をわが国に強要しようとする不純な企てだ」などと主張した。その上で、「われわれに一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、米朝首脳会談に応じるかどうか再考せざるをえない」として、来月12日にシンガポールで開かれる予定のアメリカとの首脳会談を取りやめる可能性を示唆した。
北朝鮮の非核化をめぐっては、アメリカが「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を求めているのに対して、北朝鮮は体制保証と軍事的脅威の解消を前提とした段階的なプロセスを主張していて、意見に隔たりがある。
談話では、「朝鮮半島の非核化のためには、アメリカの敵視政策と核の威嚇を終わらせることが前提条件になる」と主張した。
北朝鮮はこれに先立ち、16日に予定されていた韓国との閣僚級会談について、米軍と韓国軍の共同訓練を理由に中止を表明した。一連の北朝鮮による韓国とアメリカへのけん制は、非核化交渉をめぐる駆け引きの一環とみられる。
これに対しアメリカのサンダース報道官は、「もし首脳会談が開催されなければ北朝鮮に対する最大限の圧力を続けていく」と述べ、北朝鮮をけん制した。
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