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先週の政治振り返り

学校法人「加計学園」の獣医学部設置問題をめぐって、国会が閉会中に審議を行う「閉会中審査」が衆議院・参議院それぞれで行われました。外国出張中の安倍首相は出席しませんでした。
文部科学省の前の事務次官の前川氏が参考人として出席し、この問題をめぐって、総理官邸の関与で行政がゆがめられたとの認識を示しましたが、政府側は完全否定し、議論は平行線に終わりました。

7月10日(月)

加計学園めぐる閉会中審査、新事実は出ず

学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり、衆院と参院でそれぞれ、国会閉会中に審議をする「閉会中審査」が開かれた。参考人として出席した文部科学省の前の事務次官である前川氏は、「和泉首相補佐官を中心として、総理大臣官邸の関与があることは明らかに推測される」「私が『ゆがめられた』と思う部分は、規制緩和の結果として『加計学園』だけに獣医学部の新設が認められたプロセスであり、不公平・不透明な部分があるのではないか」などと述べた。
これに対して山本地方創生担当大臣は、「一点の曇りもなく、ルールに基づいてやってきた」「個別の案件について官邸などが入る余地はない。私も全く官邸を気にしたことはない」などと反論した。
また、前の愛媛県知事の加戸守行氏は「岩盤規制にドリルで穴をあけてもらい、ゆがめられた行政がただされたというのが正しい」などと述べた。
この問題をめぐって新たな事実は出てこず、議論は平行線で終わった。

7月11日(火)

「テロ等準備罪」を新たに設ける「改正組織犯罪処罰法」施行

テロ組織や暴力団などの「組織的犯罪集団」が重大な犯罪を計画し、資金の手配や現場の下見など犯罪の準備行為を行った場合、計画した全員を処罰できるようになった。

7月12日(水)

日本政府「国際組織犯罪防止条約」を締結

「国際組織犯罪防止条約」は組織的なテロや犯罪を防ぐための国際条約で、締約国の間で捜査協力がしやすくなる。日本政府は、この条約の締結のためには犯罪の準備段階で処罰する法律が必要だとしてきた。「テロ等準備罪」を新たに設ける「改正組織犯罪処罰法」が7月11日に施行されたことを受けて政府は条約の受諾所を国連に提出し、日本はこの条約の188番目の締約国となった。「国際組織犯罪防止条約」は組織的なテロや犯罪を防ぐための国際条約で、締約国の間で捜査協力がしやすくなる。日本政府は、この条約の締結のためには犯罪の準備段階で処罰する法律が必要だとしてきた。「テロ等準備罪」を新たに設ける「改正組織犯罪処罰法」が7月11日に施行されたことを受けて政府は条約の受諾所を国連に提出し、日本はこの条約の188番目の締約国となった。

7月16日(日)

改正公職選挙法が施行。衆院は戦後最少の465議席に

衆議院の1票の格差を是正するために、6つの県で小選挙区を1つずつ減らすなどする改正公職選挙法が施行された。19都道府県の97の選挙区で区割りが変更される。新たな区割りは次の衆議院選挙から適用され、議席数は小選挙区が289、比例代表が176の合わせて465で戦後最少となる。

今週の見通し

学校法人「加計学園」の獣医学部設置問題をめぐっては、野党側が求める安倍首相が出席する閉会中審査が開催されることになりそうです。安倍首相が出席する形での審査は拒否してきた政府・自民党側が、応じる姿勢に転じたためです。ただ、与野党の質疑時間の配分などをめぐって自民党と民進党の応酬が続いていて、審議を開催する日程は今週中にも決まる見通しです。
民進党の蓮舫代表は、18日(火)に自らの国籍に関する資料を公開し、日本国籍と台湾国籍を持っていた「二重国籍」問題について説明する予定です。