先週の政治振り返り
7月2日(日)に投開票された東京都議会議員選挙では、小池都知事率いる都民ファーストの会が大勝し、公明党などを加えた小池知事を支持する勢力が議会の過半数を獲得しました。小池都知事は都政運営における強い求心力を得た形です。
自民党は歴史的大敗を喫しましたが、その背景には加計問題をめぐる安倍政権の対応への批判や、相次ぐ自民党議員のスキャンダルがあります。今回の都議選の結果が安倍政権の求心力を低下させるなど、国政レベルにも影響を及ぼすとみられています。
6月27日(火)
稲田防衛大臣、都議会議員選挙めぐり「自衛隊としてお願いしたい」
稲田防衛大臣は、東京都議会議員選挙の自民党候補の応援演説で「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と述べた。
稲田大臣は演説後に記者団に「駐屯地も近いので、地元の皆さんに対する感謝の気持ちを伝える一環としてそういう言葉を使ったが、あくまでも自民党として応援をしているということだ」と説明したが、政治的に中立でなくてはならない自衛隊を政治利用したと受け止められかねない発言で、野党からは早速強い批判の声が上がった。
6月28日(水)
原子力規制委員会、伊方原発1号機の廃炉計画を了承
伊方原発1号機(愛媛県)は去年、四国電力が廃炉とする方針を決め、廃炉の工程などを記した計画を原子力規制委員会に申請していた。計画が了承されたことで、伊方原発1号機の廃炉作業が進められることになる。
6月29日(木)
野党4党、稲田大臣の発言めぐり国会召集を要求
稲田防衛大臣が東京都議会議員選挙の応援演説で「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」と述べたことをめぐり、民進党など野党4党は安倍首相の任命責任を問うために臨時国会を召集するよう大島衆院議長に求めた。
2016年度の税収、7年ぶりに前年度を下回る
2016年度の国の税収は約55兆5000億円となり、前年度を下回った。2016年夏ごろの円高の影響で法人税収が伸び悩んだことが背景。税収が前年度を下回るのは、リーマンショックの提供で景気が悪化した2009年度以来7年ぶり。
6月30日(金)
米韓首脳会談を実施。北朝鮮への対応で温度差も
アメリカのトランプ大統領と韓国のムンジェイン大統領は、ムン大統領が就任後初めてとなる米韓首脳会談をアメリカ・ワシントンで行った。会談後に発表した共同声明で米韓両政府は、北朝鮮の核やミサイルの脅威に共同で対処し、北朝鮮に対して最大限の圧力をかけ、挑発を食い止めて建設的な対話に戻すなどとした。
一方で、ムン大統領は会談後に行った講演で「キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と対話することも必要だ。北で核放棄を決定できる唯一の人物だからだ」と述べ、北朝鮮との対話の重要性を強調した。
北朝鮮への対応について圧力を重視するアメリカと、対話を重視する韓国の温度差がにじみ出る形となった。
韓国プサンの「少女像」市の管理下に。撤去困難に
2016年12月にプサンの日本総領事館の前に市民団体が設置した慰安婦問題を象徴する「少女像」をめぐり、プサン市の管理に置く条例案がプサン市議会で成立した。
日本は2015年12月の「日韓合意」や国際条約に反するとして撤去を求めてきたが、撤去は困難になった。
アメリカジョージア州で慰安婦問題を象徴する「少女像」設置
アメリカ南部ジョージア州のブルックヘブン市で、韓国系アメリカ人などの市民団体が慰安婦問題を象徴する少女像を設置した。アメリカにおける少女像の設置は、ロサンゼルス市に続いて2か所目。
今週の見通し
都議選で大勝した都民ファーストの会が、国政レベルに進出するかどうかが注目されます。
また、民進党など野党は、加計問題や稲田防衛大臣の失言などをめぐり国会が閉会している中でも質疑を行うよう求めているのに対して、政府・与党が応じるかどうかも焦点です。
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