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先週の政治振り返り

「テロ等準備罪」をめぐり、自民・公明と日本維新の会の間で修正協議が行われ、維新が主張する「取り調べの可視化(録音・録画)」のあり方を今後検討していくことなどを法案に盛り込むことで合意しました。

5月8日(月)

安倍総理、5月1日にトランプ大統領と電話会談を公表

安倍総理大臣は衆議院予算委員会で、5月1日にアメリカのトランプ大統領と電話会談を行ったことを明らかにした。ただし電話会談の内容については「一切公表しないことでアメリカ側と合意しているため言及は差し控えたい」とした。この電話会談については、これまで非公表としてきた。

5月10日(水)

韓国、9年ぶりの政権交代。ムンジェイン新大統領が就任

パク・クネ大統領の罷免を受けて9日に行われた韓国の大統領選挙で、革新系の最大野党「共に民主党」のムン・ジェイン氏(64)が得票率41.08%で勝利し、新大統領に就任した。9年ぶりの政権交代。ムン氏は北朝鮮に融和的だったノ・ムヒョン政権では秘書室長を務めた人物。

韓国のムン新大統領、トランプ大統領と電話会談

ムン・ジェイン大統領は、就任後、外国の首脳としては初めて、アメリカのトランプ大統領と電話首脳会談を行った。両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり緊密に協力することで一致した。ムン氏は北朝鮮に対して融和的な姿勢を示してきたが、まずは北朝鮮への圧力を強めるアメリカと足並みをそろえた形。

5月11日(木)

安倍総理、韓国のムン大統領と電話会談

両首脳は、実施が先送りになっている日中韓3か国の首脳会議や、日韓首脳会談の早期開催を目指すことや、北朝鮮への対応での連携で一致した。
慰安婦問題をめぐる2015年12月の「日韓合意」をめぐっては、安倍総理が「責任を持って実施していくことが重要だ」と述べ、着実な実施を求めた。これに対しムン大統領は、韓国国内の否定的な世論に言及した上で、「歴史問題は賢く解決していく必要がある」「知恵を絞り協力しながらよい関係を築いていきたい」と述べた。
ムン氏は大統領選挙の公約で、日韓合意の再交渉を日本側に求めていくとしていたが、今回の電話会談では再交渉への言及はなかった。

与党と維新、テロ等準備罪の修正協議で合意

自民・公明の与党と日本維新の会は、政府が国会に提出した「テロ等準備罪」新設法案に修正を加えた。取り調べの際の録音や録画のあり方について速やかに検討することを法案の付則に盛り込むなどの修正内容。

5月12日(金)

公明党の幹事長、憲法9条改正に慎重な姿勢示す

安倍首相が憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記する考えを示したことをめぐり、公明党の井上幹事長は記者会見で「自衛隊は違憲だという意見もあるが、国民の中に定着しており、憲法上明記しなければ直ちに何か安全保障に支障がある状況でもない」と述べ、憲法9条の改正に慎重な姿勢を示した。

改正福島復興再生特別措置法が成立

この法律には、東京電力福島第一原発事故の影響で立ち入りが原則禁じられている福島県内の「期間困難区域」での除染費用に国費を投入することなどが盛り込まれている。期間困難区域の中に「特定復興再生拠点区域」を設け、国の費用で除染やインフラ整備を行い、住民が居住できるようにすることを目指す。除染の費用はこれまで東京電力が負担することになってきたため、国費の投入は方針転換。

5月13日(土)

国連の拷問禁止委員会、日韓合意を評価しつつも改善を勧告

委員会は日韓合意を評価しつつも、被害者への補償や被害の回復などが十分ではない懸念があるとして、韓国政府に対して、被害者には公正で適切な補償を求める権利があると定めた条約にのっとった改善を日韓合意に反映させるべきだと勧告した。

5月14日(日)

北朝鮮、弾道ミサイルを発射。新型ミサイルの可能性

北朝鮮西岸のクソン付近から東に向けて発射された1発の弾道ミサイルは、約30分間、約800キロ飛んで日本海に落下した。
安倍総理大臣は、NSC(国家安全保障会議)の閣僚会合を開催したあと記者団に対し「国際社会と連携をしながら、しっかりと北朝鮮に対して国連決議を守るよう強く求めていきたい」と述べた。
今回のミサイルの種類について、稲田防衛大臣は「2000キロを超える高度は初めてだ」と述べ、新型の弾道ミサイルの可能性を指摘した。アメリカ太平洋軍は、アメリカ本土に達するICBM(大陸間弾道ミサイル)ではないと見られるという見方を示している。

中国、「一帯一路」初めての国際会議を開催

「一帯一路」とは中国の習近平国家主席が提唱するアジアとヨーロッパをつなぐ巨大な経済圏構想。習主席は、国際的な鉄道や港湾などインフラ整備による貿易や投資の拡大などを呼びかけている。
この「一帯一路」をテーマにする初めての国際会議が中国・北京で行われた。中国はこの会議を今年最も重要な外交イベントと位置づけており、習主席は各国に連携を呼びかけた。日本からは自民党の二階幹事長らが出席した。
習主席は演説の中で、この日の北朝鮮のミサイル発射には言及しなかった。

今週の見通し

北朝鮮による今回のミサイル発射は、韓国にとってはムン大統領が就任後はじめてであり、中国にとっては習主席が重視する「一帯一路」構想の国際会議が北京で行われるタイミングでした。また、新型ミサイルだった可能性も指摘され、北朝鮮の一連の行為がアメリカが武力行使も排除しないレッドライン(超えてはならない一線)に近づいている可能性もあります。今後、国際社会が北朝鮮にどう対応していくのかが焦点です。