大阪・豊中市の国有地が鑑定価格よりも格安で学校法人「森友学園」に売却された件で、衆議院・参議院の予算委員会で証人喚問が行われ、森友学園の籠池理事長が証言した。主な論点についての籠池氏の証言と、政府側の説明は以下の通り。

<森友学園が、金額が異なる3通の契約書を提出していた件>
籠池氏は刑事訴追を受ける可能性がある」として証言を拒否した。

<国有地の売却や小学校の認可に政治家の働きかけがあったか>
籠池氏は「政治的な関与はあったのだろうと認識している」「大幅な値引きにびっくりした」と証言したが、詳細は語られなかった。また、複数の政治家(自民党の北川イッセイ元国交副大臣、柳本卓治参院議員、日本維新の会の東徹参院議員)に対して依頼したと証言した。
これに対し菅官房長官は会見で、「撤去費用等を踏まえ売却価格を算定したものであり、法令等に基づいている」と説明した。また、名前を挙げられた3人の政治家はいずれも関与を否定した。

<国有地に関連して、昭恵夫人付きの職員から籠池氏へのFAXについて>
籠池氏は、昭恵夫人の助けを得ようと留守電にメッセージを残したのに対して昭恵夫人付きの職員からFAXで回答を得た、と証言した。
これに対し菅官房長官は会見で、籠池氏から昭恵夫人ではなく、夫人付きの職員に送られた書面に対して、職員が要望に沿えないとする回答をしたものだと説明し、昭恵氏の関与を否定した。また、職員によるFAXの内容は一般的な内容であり籠池氏への「ゼロ回答」であり、昭恵夫人への忖度はないと説明した。

<昭恵夫人から森友学園へ100万円の寄付があったか>
籠池氏は昭恵夫人と2人きりになった時に渡されたと証言した。
これに対し菅官房長官は会見で、当日は付き添い人2人が昭恵夫人とずっと一緒にいたし、寄付金も渡していないと説明した。

また、昭恵夫人ははフェイスブックにコメントし、寄付金を渡したことも講演料をもらったこともないとし、夫人付きの職員がFAXで回答した件についても関与を否定した。