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先週の政治振り返り

天皇陛下の退位をめぐる議論は、衆参両院の議長のもとで各政党の意見聴取が行われましたが、今の陛下一代に限って認める意見(自民、公明など)と、将来にわたって認める恒久的な制度とすべきという意見(民進、共産など)の主張の隔たりが埋まらないままの状態です。議論が平行線のままで政府が調整することになるのか、議長のもとで各政党が国会において一致点を見出すことができるのか、行方が注目されます。

2月20日(月)

天皇陛下の退位めぐり、各政党「一代限り」と「恒久的な制度」の溝は埋まらず

衆参両院の議長・副議長は、陛下の退位をめぐる与野党各会派の意見を聴取した。今の陛下一代に限り特別法で認めるべきという意見(自民党、公明党、日本維新の会、日本のこころ)と、皇室典範を改正して恒久的な法整備を行うべきだという意見(民進党、共産党、自由党、社民党)に割れている。

2月21日(火)

民進党「テロ等準備罪」に反対の見解まとめる

民進党がまとめた見解では、テロ等準備罪について「一般市民も処罰の対象になりかねないうえに、基本的人権を侵害する可能性が極めて高い」などとしている。また、政府が法整備の目的としている「国際組織犯罪防止条約」締結については、現行法でも未遂罪や予備罪などの規定があり、新たな罪を設けなくても条約を締結することは可能だとしている。そして、テロ対策強化のために現行法に不備があれば、必要最小限の範囲で個別に立法措置を講じるべきだとしている。

2月22日(水)

政府「竹島の日」記念式典に5年連続で政務官を派遣

島根県が条例で定めた「竹島の日」の記念式典(12回目)が松江市で開かれた。政府から派遣された内閣府政務官は「竹島はわが国固有の領土だ」「平和的な解決に向け粘り強く取り組みたい」などと述べた。
これに対して竹島の領有権を主張する韓国政府は、日本側が「不当な主張を続けている」などと抗議した。

原子力規制委員会、大飯原発電3・4号機の再稼動「合格」

原子力規制委員会は、関西電力・大飯原発電3・4号機(福井県)新しい規制基準の審査に合格したことを示す審査書案を取りまとめた。

2月23日(木)

韓国外相、少女像移転の必要を自治体に伝える

韓国のユン外相は、プサンの日本総領事館の前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことについて、地元の自治体に文書を発送した。文書では、少女像の設置は「国際的な儀礼上望ましくない」などとし、少女像を移転する必要があると指摘した。

2月24日(金)

安倍首相、国有地売却問題めぐり一切の関与を否定

大阪・豊中市の国有地が学校法人に鑑定価格より安く売却された。この学校法人は寄付金集めの際に「安倍晋三小学校」と名乗り、安倍首相の妻・昭恵夫人が「名誉校長」となっている。これらの点を野党に追及された安倍首相は、売却問題への一切の関与を否定した。また、寄付金集めに自分の名前を使うことは断っていたとして、学校法人側に抗議したことを明らかにした。安倍首相はまた、昭恵夫人が名誉校長を辞任した経緯も明らかにした。

「プレミアムフライデー」始まる

「プレミアムフライデー」とは政府や経済界によるキャンペーン。月末の金曜日に午後3時をめどに早めの退社を促し、消費拡大や働き方の見直しにつなげるのが狙い。

今週の見通し

2017年度予算案は27日にも衆議院を通過し、議論の舞台は参議院に移ります。憲法に定められている衆議院の優越により、30日が経てば予算案は自然成立するため、予算案の年度内成立は確実となる見通しです。野党は安倍総理夫人が名誉校長をつとめる学校法人に対して国有地が安く売却されていたと指摘されている問題などで、政府を追及する方針です。