政府が設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が、論点整理を公表した。この中で天皇の退位については、「将来の全ての天皇を対象とする場合」と「今の天皇陛下に限る場合」について、それぞれ「積極的に進めるべきとの意見」と「課題」を示している。
「将来の全ての天皇を対象とする場合」については、「憲法において皇位継承は皇室典範で定めることとされており、皇室典範に恒久的な制度が定められている。このため、新たな制度を作る場合は皇室典範を改正し恒久的な制度とすることが憲法の趣旨に沿う」などの意見が挙げられている。これに対し「今の天皇陛下に限る場合」については、「将来の天皇については、皇位継承者との年齢差、その時の政治経済状況、その代の天皇の考え方や世論は変化する。状況がよく分かっている今の状況下で判断するのはよいが、将来の全ての天皇を対象とするような制度にしないほうがよいのではないか」などの意見が挙げられている。
「将来の全ての天皇を対象とする場合」に対する課題が多く列挙され、「今の天皇陛下に限る場合」が望ましいという考え方がにじむ内容となっている。
安倍総理大臣は「論点整理の公表で、国民の理解が一層深まると期待している」と述べた。

有識者会議による論点整理「今後の検討に向けた論点の整理」(官邸HP資料)

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