先週の政治振り返り
20日(日本時間で21日)にアメリカ大統領に就任したトランプ氏は就任演説で「アメリカ第一主義」を訴えました。トランプ政権はさっそくTPP協定からの離脱たNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉などの方針を打ち出しています。20日(金)には通常国会が開会、安倍総理大臣による施政方針演説が行われました。150日間(会期)にわたる国会論戦がスタートしました。
1月16日(月)
日・ベトナム首脳会談。巡視船6隻の供与伝える。
安倍総理大臣はベトナムのフック首相と会談し、巡視船6隻を供与することを伝えた。両国が海洋分野での協力を強化し、中国の海洋進出をけん制する狙い。また、ベトナムのインフラ整備のため、約1200億円の経済協力も伝えた。
日米地位協定を補足する協定発効。「軍属」の範囲を縮小
岸田外務大臣とアメリカのケネディ駐日大使が日米地位協定を補足する協定に署名し16日に発効した。アメリカ軍の「軍属」の範囲を縮小する内容。
沖縄県で女性が殺害され、アメリカ軍の軍属の男が殺人等の罪で起訴された事件を受けたもの。この男は、発効した協定では軍属の範囲に含まれないことになる。岸田大臣は「協定を着実に実施することで、在日アメリカ軍の軍属に対する管理監督が一層強化され、事件事故の再発防止につながることを期待する」と述べた。
一方、沖縄県の翁長知事は「アメリカ軍基地をめぐる諸問題の解決を図るためには、アメリカ側に裁量を委ねる形となる日米地位協定の運用改善だけでは不十分」「協定を抜本的に見直す必要があると考えており、今後も日米両政府に協定の見直しを粘り強く求めていく」と述べた。
1月17日(火)
竹島に「少女像」設置の動き。日本政府、韓国側に抗議
韓国国内で慰安婦問題をめぐる少女像を竹島(島根県)に新たに設ける動きがあると報じられていることについて、菅官房長官は「竹島の領有権に関するわが国の立場に照らしても受け入れられず、極めて遺憾だ」と述べ、韓国側に抗議を行ったことを明らかにした。
韓国外務省の報道官は「関連の動向を確認したい」と述べる一方で、日本政府が竹島を日本固有の領土だと主張していることに対しては「明らかに韓国固有の領土であり、日本政府はつまらない主張を直ちにやめるよう求める」と述べ日本側に抗議したことを明らかにした。
宮内庁「2019年元日から新元号」報道に否定的見解
天皇陛下の退位をめぐり、2019年の元日に新しい天皇が即位しこの日から新しい元号になると報道されている。これについて宮内庁の西村泰彦次長は記者会見で、1月1日は「皇室にとって極めて重要な日」だと指摘した上で、「早朝から祭祀(さいし)があるし、国事行為として位置づけられている儀式である新年祝賀の儀が行われる。1月1日には両陛下はこれらの大事な儀式や行事を終日連続して心を込めてお務めになっておられる。従って、仮に譲位ということになっても、1月1日に譲位、即位に関する行事を設定するのは、実際にはなかなか難しいのではないかと考えている」などと否定的な見解を示した。
1月18日(水)
日本共産党、3年ぶりの党大会で「野党連合政権」目指す決議を採択
日本共産党は15日?18日にかけて、最高意思決定機関である党大会を3年ぶりに開き、活動指針である大会決議を採択した。決議では「安倍政権を打倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくろう」などと訴え、これまで共産党が掲げてきた自民党と個別に対峙する路線から、民進党など他の野党との共闘路線へと方針転換した。
玄海原発3・4号機、規制基準審査に合格
原子力規制委員会は、九州電力の玄海原発3・4号機(佐賀県)が規制基準の審査に合格したことを示す審査書を決定した。
1月19日(木)
衆参の議長、3月中旬メドに天皇陛下の退位めぐる考え方を取りまとめる方針
衆議院・参議院の議長らが与野党の各会派の代表者を集め、天皇陛下の退位をめぐる法整備についての協議した。2月中旬以降に議長らが各会派から意見を聞き、3月中旬までをメドに国会の考え方を取りまとめる方針を確認した。衆議院の大島議長は記者会見で「通常国会で最終的な結論を出すべきだ」などと述べた。各党とも天皇陛下の退位を認めるという方向性では一致している。ただ、政府が今の陛下一代に限って退位を可能にする特別措置法を検討しているとされる中で、民進党・共産党・社民党などは特別措置法ではなく皇室典範の改正を主張しており、退位を実現するための法整備の方法論をめぐり対立点がある。
1月20日(金)
通常国会スタート。安倍総理の施政方針演説「次なる70年を見据え、新しい国作り」など決意
安倍総理大臣は衆議院・参議院それぞれで施政方針演説を行った。全文はこちら。
文科省幹部らによる天下りあっせん問題で事務次官ら処分
松野文部科学大臣は、前川事務次官や当時の人事課長など7人について、停職や減給の懲戒処分を発表するとともに再発防止策を徹底する考えを示した。前川事務次官は引責辞任する。
1月21日(土)
トランプ新大統領就任、TPP協定離脱などの方針示す
アメリカ・ワシントンで大統領就任式が行われ、トランプ氏が第45代大統領に就任した。トランプ新大統領は就任演説で「この日から新しいビジョンがアメリカを統治する。アメリカ第一主義だ」と述べ、国益を最優先にする姿勢を示した。また、雇用回復や移民対策強化、経済立て直しに取り組む考えなどを強調した。ホワイトハウスで執務を開始したトランプ大統領はオバマ前大統領が推進した医療保険制度改革「オバマケア」見直しを関係省庁に指示した。また、TPP協定からの離脱やNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉、法人税率の引き下げを行う方針を示した。
トランプ大統領の就任式演説(全文)
今週の見通し
天皇陛下の退位をめぐり、政府の有識者会議が23日(月)に「論点整理」を公表します。専門家のヒアリングなどを踏まえて様々な論点についての意見を整理したものです。政府は今の天皇陛下に限って退位を可能にする特別措置法での対応を検討しているとされますが、民進党などは皇室典範の改正を主張しており、議論の行方が注目されます。
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