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先週の政治振り返り

日本と韓国との間で長年の懸案である「慰安婦問題」をめぐり、年末に韓国プサンに新たな少女像が設置されたことを受けて、日本政府は韓国から大使を一時帰国させるなどの対抗措置を発表しました。2015年12月に日韓両政府は「最終的、不可逆的な解決」で歴史的な合意をしましたが、解決とはほど遠い状況となっています。

1月4日(水)

  • 通常国会は1月20日に召集。安倍総理が年頭の記者会見で言明

1月5日(木)

  • 安倍総理、経済界に去年並みの賃上げ求める
  • 安倍総理が経団連など3つの経済団体が開いたパーティーであいさつした。
    「過去3年、今世紀に入って最高水準の賃上げを続けていただき、お礼を申し上げると同時に、ことしもぜひ少なくとも昨年並みの水準の賃上げ、4年連続のベアの実施をお願いしたい」「物価の上昇におくれをとらない賃上げがあってこそ、デフレから脱却して持続的に経済を力強く成長させていく道に進んでいくことができる」などと、賃上げを要請した。

  • マネタリーベース、約437兆円。過去最高を更新
  • マネタリーベースとは、日銀が市場に供給しているお金の量のこと。去年1年間で22%(約81兆円)増加し、437兆4314億円。過去最高を更新。大規模な金融緩和を続け日銀が掲げる「年間80兆円程度の増加」に沿った形。

1月6日(金)

  • 政府「少女像」への対抗措置を発表。駐韓国大使の一時帰国など
  • 菅長官官房長官は韓国プサンに設置された慰安婦問題を象徴する少女像について、「極めて遺憾」「政府としては少女像を早急に撤去するよう、引き続き韓国政府や関係自治体に強く申し入れていく。引き続き韓国側に対し、少女像の問題を含め、日韓合意の着実な実施を求めていきたい」などと述べ、当面の対抗措置(以下)を発表した。
    ・韓国に駐在する長嶺大使らを一時帰国
    ・緊急時に通貨を融通しあう通貨スワップ協定の再開に向けた協議の中断
    ・日韓ハイレベル経済協議の延期
    ・プサン総領事館の職員によるプサン市関連行事への参加見合わせ
    これに対して韓国外務省は「日本政府の措置は非常に遺憾だ」と反発している。

  • アメリカ軍、オスプレイの空中給油訓練を再開
  • 川内原発1号機、営業運転。
  • これで、現在営業運転している原発は全国で2基(川内原発1号機と伊方原発3号機)となる。

今週の見通し

1月20日からスタートする通常国会を前に、今週は安倍総理の外遊ウィークとなります。12日からオーストラリア、ベトナム、フィリピン、インドネシアを訪問し各国の首脳と会談する予定です。海洋進出する中国を念頭に、各国と安全保障面での連携を深められるかがポイントとなります。