「集団的自衛権」とか「集団安全保障」って何?

      「個別的自衛権」とは、自国が攻撃された時に自衛のために武力行使する権利。
      「集団的自衛権」とは、同盟国が攻撃された時に一緒になって反撃する権利。
      「集団安全保障」とは、侵略行為をした国を諸外国が団結して制裁を加える体制。

まずは、2つの「自衛権」、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」について。
日本政府は以下のように定義しています。

国際法上、一般に、「個別的自衛権」とは、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止する権利をいい、他方、「集団的自衛権」とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利をいうと解されている。(2003年の政府答弁書より)

つまり、個別的自衛権とは、
日本が攻撃を加えられた場合に自衛のために武力を行使する権利。

一方の集団的自衛権を日本にあてはめれば、
例えば同盟国であるアメリカが攻撃を受けた際に、
日本が攻撃されていなくとも武力を行使することを意味します。

次に、「集団的自衛権」と名前が似ている「集団安全保障」ですが、
侵略などを行った国に対して、諸外国が団結して制裁を加えることです。

ここで、国連(国際連合)の基本文書「国連憲章」での位置づけを紹介します。

国連憲章は、すべての加盟国に対し武力行使を原則として禁止しています(2条4項)。
そのうえで、侵略行為などがあったとき、経済制裁などで解決しなかった場合には、
安全保障理事会の決定で武力行使ができるとしています(42条)。

これを、国連による「集団安全保障」といいます。
つまり、侵略などを行った国に対し、加盟国が団結して制裁を加えるのです。

しかし、この対処方法だけでは、安保理の決定までに反撃できないことになっていまいます。
そこで国連憲章は、加盟国の「個別的自衛権」および「集団的自衛権」を認めました(51条)。

国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。(国連憲章51条を一部抜粋)

以上が、国連憲章に位置づけられた、
「集団安全保障」ならにび「個別的自衛権」「集団的自衛権」です。