「夜討ち・朝駆け」とは、取材対象者が夜自宅に帰る時や、朝出勤する時に接触して話を聞く取材手法のことで、「夜回り・朝回り」とも言います。社会部記者は、例えば警察の関係者に対して。政治部記者であれば、例えば政治家に対して、こうした取材を日々行っています。

日本の報道機関は、他社が報じているニュースで遅れをとる「特オチ」を嫌うので、重要な情報を持っていて1つ1つの発言がすぐニュースに直結する人物(例えば政権幹部)を担当する記者(バンキシャ、と言います)は、夜討ち・朝駆けが欠かせません。取材対象者のスケジュールによっては、こうした取材が早朝や深夜になることも珍しくないので、現場の記者の仕事はどうしても拘束時間が長く、不規則になります。

土日祝日であっても、取材対象者の日程によっては翻弄されます。例えば政治家が講演を行ったりテレビ番組に出演する場合など、バンキシャは現場に立ち会い、ニュース性のある発言があれば原稿を書く必要があるからです。

最近は「働き方改革」の機運が高まり、従来より休みやすくなってきてはいますが、原則として取材対象に合わせて「他律的」に働かざるをえない宿命なので、自分の意思でスケジュールを管理しづらい「忙しい」仕事と言えます。