「スクープ」と呼ばれるニュースの中には、その報道がなければ人々が知ることがなかった事実を明るみに出す、本質的に価値のあるスクープ報道もあります。
しかし、大手新聞やNHK、民放キー局の記者たちは、「いずれ発表される情報をモノを他社に先んじて報じる」という類の「スクープ」競争を行なっていることも多いのが現状です。

典型例は、政府が内閣を改造し新しい大臣を決める際の、新聞やテレビ各局の速報合戦です。テレビ各局は、ニュース以外の番組をやっている時間帯であっても「なんとか大臣に誰が内定」という情報を画面上のスーパーで速報します。
ただ、翌日にもなればわかる閣僚人事の情報を視聴者が本当に求めているのか、疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。こうした速報合戦は、業界内の内輪の論理、自己満足と言われても仕方ないかもしれません。

さて、「スクープ」を書くために、あるいはライバル社に「スクープ」を報じられてしまった場合にすぐに「追い付く」ために、記者たちは情報源を確保すべく日夜努力しています。自分が担当するジャンルの情報を素早く・正確に知る立場の取材対象者に様々な手段を尽くして接近します。
では、どのようにして取材対象者との関係を作るか。これは記者それぞれが工夫するところで決まったルールはありませんが、「夜討ち・朝駆け」といった手法で取材対象者が自宅を出入りする時に接触したり、食事や飲み会をセッティングして仲良くなるのがオーソドックスな手法です。

民放キー局の女性記者が財務省の事務次官と1対1で飲み会の場でセクハラを受けた事案がありましたが、「スクープ」情報を聞き出すためにも、記者は取材対象者と1対1で会えるチャンスを求めているという事情が背景にあるわけです。