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【2019年参院選】主要5新聞の報道スタンス検証(アンチ安倍政権の朝日・毎日 VS 安倍政権を支持する読売・産経)

公示日の7月4日から今日までの主要5新聞の主張を振り返ってみます。各新聞のカラーがいちばん表れる「社説」に焦点をあてて見ていきます。
朝日新聞は公示日の社説で、

ここで歯止めをかけて、政治に緊張感を取り戻すのか。それとも、現状の継続をよしとするのか。有権者の選択が、この先数年の国の針路を決めることになる

安定した政治基盤と長期政権という資産を、真に国民のためになる難題への挑戦に使ってこなかったのが安倍政権である

などと安倍政権への対決姿勢を鮮明にしました!

ふん、さすがの朝日新聞やな!社説のタイトルを見ても、
4日の社説『参院選きょう公示 安倍1強に歯止めか、継続か』
8日の社説『参院選 アベノミクス 経済好循環の道遠く』
12日の社説『参院選 辺野古問題 国の横暴、誰が正す』
13日の社説『参院選 公文書 信頼取り戻すために』
14日の社説『参院選 原発政策 現実とのズレ直視を』
15日の社説『参院選 女性候補 際立つ与党の努力不足』
17日の社説『参院選 首相の遊説 政権党の度量はどこに』
20日の社説『参院選 憲法の論戦 議論か否かの強引さ』
などと、記事のタイトルだけで明らかなほどの『反安倍政権キャンペーン』報道ぶりやで。
憲法改正、アベノミクス、沖縄基地問題、公文書管理、原発政策、女性の社会進出への取り組み・・安倍政権はおかしなところだらけですから、当然です!有権者が1票を投じる上で、こんな重要な論点をハッキリ指摘しないわけにはいきません!
朝日新聞と主張が近い毎日新聞はどうかニャ?
毎日新聞新聞は公示日の社説『19年参院選 党首討論会 欠けていた未来への視点』の中で、前の日に行われた党首討論について

深刻な人口減少問題を正面から取り上げる党首がいなかったことをはじめ、多くの国民が抱いている将来への不安の解消につながる論戦が展開されたようには思えない。与野党は公示後も未来に向けた議論を深める努力が必要だ

と指摘して、安倍総理だけではなくて、野党に対しても苦言を呈したわ。

ふむ。朝日新聞と比べれば、安倍政権への批判色は若干マイルドな感じかのう。
じゃが、その後の社説タイトルを見ると、
5日の社説『19年参院選 安倍外交 米国との距離が問われる』
6日の社説『19年参院選 首相の政治姿勢 堂々たる論争が聞けない』
7日の社説『19年参院選 憲法の議論 対決あおる手法なじまぬ』
8日の社説『19年参院選 アベノミクス 積もり続ける「負」の遺産』
9日の社説『19年参院選 皇位の安定継承 議論先送りの余裕はない』
11日の社説『19年参院選 女性候補 与党の努力不足は明らか』
などと、朝日と同じように『反安倍政権』ぶりは明らかじゃのう。
消費増税に反対する野党も無責任だけど、やっぱり安倍政権には問題が多いということだわ。
「朝日・毎日VS読売・産経」とは距離を置く日経新聞はどう報じているのかしら?
日経新聞は公示日の社説『長期的な課題への道筋が見える論戦に 』の中で、社会保障の財源をめぐって、

首相が言及した消費増税を10年間凍結するという姿勢で、財政の健全化を成し遂げるのは難しい。歳入と歳出の両面で改革を進めなければ、老後の不安は解消されない

と安倍総理の姿勢を批判する一方で、

野党は10%への消費増税にそろって反対している。新たな財源として大企業や富裕層への課税強化、行政改革を主張するが、高齢化で膨張していく予算をそれだけで賄うのは難しい

と、野党の主張の問題点も指摘しているヨ。
その後の社説タイトルも、
5日の社説『女性が立候補しやすい社会に 』
6日の社説『年金の確かさを競っているようにみえぬ 』
8日の社説『議論を深め改憲のテーマ探る契機に 』
11日の社説『人口減少を長期的視点で考える論戦に 』
13日の社説『責任ある財政健全化の議論から逃げるな 』
15日の社説『現実見据えた外交・安保の議論深めよ 』
といった感じだヨ。与党・野党どちらの肩を持つでもなく、淡々と伝えている感じだネ。

日経新聞らしいのう。
読売新聞は、公示日の社説『[参院選]きょう公示 中長期の政策課題に向き合え』の中で、
立憲民主党と国民民主党に対して

両党は、消費税率10%への引き上げは凍結すべきだと主張する一方、公約では巨額の費用を要する政策を並べている。説得力のある財源を示さなければ、バラマキとの批判は免れまい

野党を批判したのう。金融庁の報告書を麻生財務大臣が受け取らなかったことをめぐって

首相は「政策を立案する上で不適切との判断だ」と釈明したが、問題にフタをするかのような印象を持たれてはならない

と安倍総理にクギも刺したがのう。

なんですかそれ!印象を持たれないように気をつけろよ!っていうだけですか?
印象うんぬんじゃなくて、安倍政権は問題にフタしてるじゃないですか!
結局は、仲良しの安倍政権を擁護したいっていう姿勢がバレバレです!!
なんじゃ失礼な!この日の社説では、

首相は討論会で、今後10年間は消費税率10%超への引き上げは不要と述べたが、将来を見据えた論議を避けてはならない

と安倍総理の姿勢を批判しておる!安倍政権に対して批判すべきは、きちんと批判しておるんじゃ!

珍しくヨミじいさんが怒ったニャ・・その後の読売新聞の社説タイトルを見ると、
5日の社説『参院選公示 政策と実行力を吟味したい』
8日の社説『[参院選]憲法改正 活発な提案で論点掘り下げよ』
11日の社説『[参院選]消費増税 高齢化を見据え議論深めよ』
17日の社説『[参院選]安全保障政策 抑止力維持の方策を論じよ』
20日の社説『エネルギー政策 安定供給と脱温暖化に責任を』
などといったラインナップだニャ。
安倍政権を正面から批判しているタイトルは見当たらないわ。
むしろ、憲法改正の議論を促したり、原発については安倍総理ですら議論から逃げている原発の新増設について「検討すべき」と訴えるなど、安倍政権を後押ししている印象だわ
憲法改正、消費増税、原発活用など、多くの政策で安倍政権の姿勢に読売新聞は賛成しておるからのう。自然とそういう書きぶりになるもんじゃ。
産経も安倍政権を支持やで!
産経新聞は公示日の社説『参院選公示 国の土台築き直す論戦を 安全保障から目をそむけるな』の中で、

国会での圧倒的多数を背景に長期の在任となった安倍晋三首相(自民党総裁)が、安定した政権運営を引き続き許されるかどうか。どの党の政策が現実的、建設的だとして受け入れられるか

と指摘した上で、安全保障政策・憲法改正・消費増税などについて、野党の姿勢を批判したで。つまり、現実的・建設的なのは自民党っちゅうことや!

産経新聞らしいですね!安定政権の裏側にはびこる独善を、報道機関ならもっと問題視して欲しいものです!
その後の産経新聞の社説タイトルを見ると、
7日の社説『参院選と年金 魔法の杖など存在しない 未来担う世代へ目配り足りぬ』
9日の社説『エネルギー論戦 あまりに低調すぎないか』
12日の社説『参院選と消費税 国の将来の姿が問われる』
17日の社説『参院選と経済 実効性ある政策を論じよ』
18日の社説『拉致と参院選 解決への熱がみられない』
20日の社説『参院選あす投開票 憲法論議の環境整えたい』
という感じだニャ。野党を批判する論調が目立つニャ。
消費増税に反対、安保法を廃止、原発ゼロなど、野党の主張は論外や!
非現実的な野党にひっぱられてか、エネルギー政策や拉致問題など議論が深まらないのが残念やで。
今回の選挙期間においても、主要5新聞の論調は、安倍政権に批判的な朝日・毎日と、肯定的な読売・産経という対立構造に大きな変化は見られません
いずれの新聞も、選挙戦を通じて議論が深まることを期待するという趣旨の指摘がありましたが、残念ながら建設的な政策論は深まらなかった印象です。

【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

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