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【読み比べ】党首討論について全紙が社説を掲載。産経新聞は野党を批判。

国会ではきのう党首討論が行われ、安倍総理と野党の党首が論戦を交わしました。
話題の中心は、いわゆる「年金2000万円不足問題」だったニャ。
この党首討論について、きょう主要5紙は全て社説で取り上げているニャ。
先日の報道と同じように産経新聞が政府よりもむしろ野党を批判しているのが目立つニャ。
産経新聞はきょうの社説『党首討論 不安のみ煽ってどうする』の中で、

立憲民主党の枝野幸男代表は首相に対し「安心ばかり強調し、多くの有権者が抱える不安に向き合っていない」と批判した。ただ、老後の暮らしの根幹をなす公的年金制度の持続可能性と、2千万円問題で高まった国民不安をあえて混同させた面はなかったか

年金問題を政権攻撃に利用する。野党自らが国民の不安を煽(あお)っているとみなされても仕方あるまい

北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題や米中新冷戦、中東情勢、尖閣諸島の守りなど、外交・安全保障論議は皆無だった。この点からも野党党首の国政担当能力を疑わざるを得ない

などと指摘して、野党の姿勢を批判しとるで。いやー、すかっとするわ!
もちろん、

安倍政権が報告書を受け取らなかったことを野党党首が批判した点は頷(うなず)ける。参院選に向けた与党の戦術なら、論外である

と政府にも苦言を呈してるけどな。

ひどい!産経新聞お得意の野党批判も、今回は度が過ぎます
朝日新聞はきょうの社説『党首討論 年金、議論はこれからだ』の中で、

今回の討論では、夏の参院選を意識してか、野党側からの提案も目立った
枝野氏は、医療・介護など、社会保障の自己負担総額に上限を設ける「総合合算制度」の導入や、介護・医療従事者の賃金の抜本的な底上げを訴えた。
玉木氏は外需に頼らない、家計重視の経済政策への転換を主張。共産党の志位和夫委員長は、高額所得者からの保険料を増やし、マクロ経済スライドを廃止するよう求めた

と指摘しています。提案もしているわけで、産経新聞の社説タイトルにあるような「野党が不安のみ煽っている」なんていうのはフェイクニュース、印象操作じゃないですか
むしろ問題は、

首相はマクロ経済スライドの廃止こそ否定したものの、それ以外の提案に見解を述べることはなかった。これでは議論は深まらない

という安倍政権の姿勢そのものです!
外交や安全保障の問題に触れられなかったのも、

野党4党首合わせて45分という限られた時間では、年金問題ひとつに絞っても議論は深まらず、外交・安全保障などその他の課題は、全く触れずじまいとなった

のが理由です。
それなのに、野党の政権担当能力の欠如につなげるなんて、ひどすぎます!!

アサヒちゃんがいつもにも増して怒る気持ちもわかるわ。きょうの産経新聞の物言いには、ポジショントークが目に余るわ。
毎日新聞もきょうの社説『1年ぶりの党首討論 参院選前に年金再論議を』の中で、

安倍晋三首相は正面から答えず、現行制度の持続性を強調する説明に終始した

「年金100年安心プラン」をうたった与党の立場があるにしても、議論を避けるばかりでは国民の年金不安は解消されない

などと、政府側を批判しているわ。

広く国政全般の課題について首相出席を求めて議論できる衆参両院の予算委員会は、野党のたび重なる開催要求にもかかわらず、4月以降、1回も開かれていない。
参院では委員の3分の1以上の要求で開かなければならないと定めた参院規則を与党が無視している。首相や閣僚が答弁に窮したり、失言したりするのを恐れているようだ。国民への説明責任から逃げているといわれても仕方あるまい

というのが現状だわ。政府が議論から逃げているのが一番の問題よ!

まあまあ。程度の差こそあれ、政府・野党の両方に問題があるんじゃないかナ。
日経新聞はきょうの社説『国の針路を競う党首討論になっていない 』の中で、

首相は質問に正面から答えない場面が目立ち、野党側も政府批判と持論の展開に多くの時間をあてる傾向が強まっている

と指摘しているヨ。その上で、

全体で45分間の時間の延長、参加する野党党首を交代制とする、経済や外交、安全保障などテーマ別に討論するといった運用も可能なはずだ。開催頻度を増やす努力とともに、審議活性化に向けた改革が必要なのではないか

と提案しているヨ。制度のあり方を見直す必要性があるネ。

その通りじゃ。
読売新聞もきょうの社説『党首討論 年金問題を建設的に論じよ』の中で、

党首討論は全体で45分間だ。共産党の志位委員長、日本維新の会の片山共同代表の持ち時間は各5分半だった。これでは実りある論戦は期待出来まい。
野党が分裂した国会の現状を鑑かんがみれば、討論時間の大幅な延長を検討すべきだ。討論をかき消すようなヤジも問題である。首相と野党党首が相手の主張に耳を傾け、双方向で意見をたたかわせる。そうした環境を整えたい。
原則毎月開催するという与野党の合意は形骸化している。活性化に向けて真摯しんしに協議すべきだ

と指摘しておる。

時間が短すぎて、野党第1党である立憲民主党の枝野代表でさえ、安倍総理とのやりとりはたったの4往復でした。これでは建設的な議論になりません。制度の改善は必須だと思います。

【朝刊比較】5紙の1面記事&社説一覧

朝日新聞

毎日新聞

日経新聞

読売新聞

産経新聞

今日の産経新聞の1面はこれやで!

社説はこれやねん!

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