政府は日本国内の労働力不足を補うため、これまで大学教授など「高度な人材」に限られてきた外国人労働者の受け入れを来年4月から単純労働分野にも拡大すべく、新たに2つの在留資格を設ける出入国管理法の改正案を閣議決定した。
新たに設ける「特定技能1号」は、「相当程度の技能」を持つと認められた外国人に与えられ、在留期間は最長で通算5年で、家族の同伴は認めない。
「特定技能2号」は、「熟練した技能」を持つと認められた外国人に与えられ、在留期間に上限を設けず、家族の同伴や事実上の永住も可能になる。
「特定技能1号」と「2号」は、受け入れる業種ごとに決められた試験などに合格すれば取得でき、どちらも日常会話程度の日本語が話せることが必要となる。
受け入れ対象は14業種(介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)が検討されているが、法案には明記されず、法案の成立後に省令で定めるとしている。
政府は外国人労働者の受け入れ拡大に合わせて、外国人の出入国管理を厳格化するため、法務省入国管理局に代わる「出入国在留管理庁」を設置する。また、外国人労働者を受け入れる企業などには、日本語教育を含む生活支援や、日本人と同等以上の賃金水準の確保を実質義務づける。
政府与党は今の国会で法案を成立させたい考え。これに対し野党側は、制度の詳細が詰まっておらず拙速だなどと批判を強めている。