アメリカ軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐって、沖縄県の翁長知事は、2013年12月に当時の仲井真知事が行った埋め立ての承認を撤回する考えを表明した。
撤回の理由について翁長知事は、国が「全体の実施設計や環境対策」を示さずに工事に着工したこと、サンゴ類を移植せずに着工したことに加えて、埋め立て予定海域の地盤が軟弱であることなど「承認時には明らかにされていなかった事実が判明した」などと説明した。今後、国から反論を聴く「聴聞」の手続きを経て撤回が実行されれば、移設工事は停止することになる。
翁長知事は、「今後もあらゆる手法を駆使して辺野古に新基地を造らせないという公約の実現に向け全力で取り組む」と述べた。
これに対し、菅官房長官は会見で、「おととしの最高裁判所の判決の趣旨に従い、国と沖縄県の双方が互いに協力して誠実に対応し、辺野古沿岸域の埋め立て工事を進めていくことが求められていると認識している」などと述べた。
政府は、沖縄県が埋め立て承認を撤回した場合、裁判所に対し「撤回」の効力を失わせる執行停止を申し入れることや、「撤回」の取り消しを求める訴訟など、法的な対抗措置を取る方針。