参議院の選挙制度をめぐっては、「1票の格差」を是正するために2015年の公職選挙法改正で「合区」が導入され、鳥取県と島根県、徳島県と高知県がそれぞれ1つの選挙区となった。
自民党は、憲法を改正して「合区」を解消することを目指したが、来年の参院選挙までの実現が困難な中、参議院 議員の定数を6増やすことになる公職選挙法改正案をまとめた。
この案では、議員1人あたりの有権者数が最も多い埼玉県の定数を2増やして1票の格差を3倍未満に抑える。
また、比例代表の定数を4増やした上で、政党があらかじめ決めた順位に従って当選者が決まる「拘束名簿式」を一部選択できる「特定枠」を設ける。この「特定枠」は、「合区」のために選挙区に候補者を擁立できない県から確実に議員を出せるようにするための「救済措置」だと指摘されている。
自民党案に対しては、議員定数を増やすことへの批判や、「特定枠」導入について「党利党略でご都合主義だ」などの批判がある。
公明党や野党は対案を出したが、自民党案がきのう参議院本会議で自民・公明両党などの賛成多数で可決された。法案は衆議院に送られ、今国会で成立する見通しとなっている。