関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐっては、福井地方裁判所が2014年に「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして運転しないよう命じる判決を言い渡し、関西電力が控訴し、名古屋高等裁判所で2審が行われていた。
名古屋高裁金沢支部は1審の判決を取り消し、大飯原発の再稼働をめぐる原子力規制委員会の審査に不合理な点はないという判断を示した。
判決では、東京電力・福島第一原発の事故を踏まえ、「国のとるべき道として原子力発電そのものを廃止、禁止することは大いに可能であろうが、その判断は司法の役割を超えるものだ。国民世論として幅広く議論され、それを背景とした政治的な判断に委ねられるべき事柄だ」などと指摘した。
その上で、大飯原発の再稼働をめぐる原子力規制委員会の審査について「不合理な点は認められず、大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」という判断を示した。