カナダのシャルルボワで開催されたG7サミット(=主要7か国首脳会議)は2日間の日程でを終えて閉幕し、議長国カナダが首脳宣言を発表した。今回のサミットは、アメリカのトランプ政権による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置に対してヨーロッパ各国やカナダが強く反発し、通商問題が最大の焦点となった。
首脳宣言では、「ルールに基づく国際貿易体制の重要性を指摘し保護主義と戦う」として、自由貿易の推進を掲げる文言を明記した。その一方で「関税や非関税障壁、補助金の削減に努める」という文言も盛り込み、貿易赤字の削減を求め「公正な貿易」を主張するトランプ政権にも配慮した。
しかし、トランプ大統領は閉幕後にツイッターで、議長国カナダのトルドー首相が記者会見でアメリカの通商政策を批判したことを非難し、「私はアメリカの代表に対し首脳宣言を認めないよう指示した」などと投稿して首脳宣言は受け入れられないとの考えを示した。アメリカと各国の対立が改めて浮き彫りとなった形。
一方で、北朝鮮情勢をめぐっては、6月12日に開催される米朝首脳会談の成功にむけてトランプ政権を後押しすることを確認した。
首脳宣言では、北朝鮮に核兵器や弾道ミサイルなどの「完全、検証可能かつ不可逆的な方法で廃棄すること」を求めた。その上で、北朝鮮に政策の変更を促すため、国連安保理決議の完全な履行を含めた強い圧力を維持することを全ての国に要請した。また、安倍首相が訴えた拉致問題の早急な解決も盛り込まれた。