学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり愛媛県が前日に国会に提出した新たな内部文書では、加計理事長が2015年2月25日、安倍首相に対して獣医学部新設を目指す意向を説明したことなどが記載されている。
これについて安倍首相は記者団に対し、「ご指摘の日に加計氏と会ったことはない。念のため記録を調べたが確認できなかった。今まで国会などで話した通り、獣医学部について加計さんから話を聞いたこともないし、私から話したこともない」と述べ、文書の記載内容を否定した。
柳瀬元首相秘書官は記者団に対し、加計理事長と安倍首相との2015年2月25日の面会について「私が同席した覚えもないし、その話をうかがった覚えもありません」と述べた。
また、文書の中には2015年3月に加計学園と今治市が協議した結果の報告として、「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されている。
柳瀬氏はこれについても「私が、総理と理事長の面談を踏まえ資料の提示をお願いするといった覚えもありません」と否定した。

安倍首相と柳瀬氏が文書の内容を否定したのに対し、愛媛県の中村知事は記者団に「国会に提出した文書について何も改ざんする必要はなく、ありのままに報告書類として出されたものだ」と主張した。
立憲民主党など野党側は「安倍首相の答弁が虚偽だった疑いが強まった」などとして、真相を究明するために、愛媛県の中村知事の参考人招致や、加計学園の加計孝太郎理事長と柳瀬元首相秘書官の証人喚問を与党側に求めた。